「新印象派 光と色のドラマ」日曜の午後、上野

よく晴れた日曜。
上野の東京美術館の「新印象派 光と色のドラマ」の招待券をもらったので見に行く。
9時起き。妻の支度に時間がかかりそうだったので先に一人で出る。
二子玉川の駅まで歩く。
早いところは桜が咲いている。温かくてダウンジャケットじゃ暑いぐらい。
郄島屋で八戸の叔母に結婚祝いのお返しを送る。
紀伊国屋書店で一カ月遅れの誕生日プレゼントを母に。
ターシャ・テューダーが最近話題と聞くので、
そのインテリアや庭の写真集にしようかとも考えるが、
重森三玲の京都の庭園の写真集にした。


自由が丘で乗り換えて東横線、中目黒で日比谷線に乗り換える。
上野の桜はまだ満開ではなかったけど、日曜の家族連れでごった返していた。
動物園は入場口に人だかり。もしかしたら入場規制がかかっていたのか。
猿回しの太郎・次郎だとか大道芸の周りに大勢の人垣ができていて、
博物館前の広場にはテントの出店が並んでいた。
佐世保バーガーが一番人気か。
僕らは「アメ横焼き」という丸くて小さなお好み焼きを買って
(肉や海老・いかの類は入ってなくて、その代わりに半熟卵)
宮島ビールというのを飲んだ。
音楽祭が開催されているようで、藝大の若い演奏家たちなのだろうか、
半円形に椅子を並べてそこに一般の方たちがその場で申し込んで指揮に立つ。
小さい子供が一生懸命腕を振っていた。


「新印象派」はボチボチの混み具合。
モネが3枚とアンリ・マティスが2枚、最初と最後に配置されて
その間にカミーユピサロ、ジョルジュ・スーラ、ポール・シニャックなど。
この二人の巨匠の間の移行期にフォーカスを当てるというか。
当時の科学と歩調を取ったのかどうかわからないけど、
光とは粒子であり、色彩もまたそうなのだという。
技法としては直接的というか素朴、素直。
このテーゼは前提として認めるけどその先に何をどうやって描くのか、
それが20世紀の絵画であったように思う。
ルイ・アイエ、アンリ=エドモン・クロス、マクシミリアン・リュスがよかった。
こうやって並べてみると、アンリ・マティスの天才が頭3つも4つも抜きんでている。
子どもたちに砂鉄のお絵かきボードを持たせて、自由に描かせていた。
ひとり、白と黒の点だけで絵を正確に、さらさらと模倣している女の子がいた。
未来の画家かもしれない。


美術館を出て北へ。
外国人や年配の街歩きのグループをいくつか見かける。
根津の言問い通りに出て「カヤバ珈琲」に入る。
以前の妻の教室の生徒の方が近くで働いているので、会った。
毎年100人規模で花見を開催するので大変だ、前の晩から交代で場所を取るという話を聞いた。
来週末は桜も満開になって身動きもできなくなるぐらい賑わうのだろう。


上野公園に戻って通り抜けて秋葉原へ。
ヨドバシカメラで家庭用の小さなシュレッダーを買う。
店内で交わされる言葉の半分以上がアジア圏のものだった。


帰ってきて笑点大喜利を見ながら缶ビールを飲んだ。
日曜も日が暮れる。