熊本へ その4

水俣病資料館・エコパークを出て水俣駅へと戻る。
蜂楽饅頭」の本店がここ水俣にあるというので寄っていく。
甘いものに興味のない僕はピンと来てなかったけど
女性3人は行きの車の中から絶対行かなきゃと鼻息荒く。
何かのテレビ番組で芸能人が福岡にあるのが本店と言ってしまったらしく、
確かに一番売れているのはそこかもしれないが、本店はあくまで熊本だと。
誰だ、そんないい加減なことを言ったやつは!?
道中の「蜂楽饅頭」熱にさらに拍車をかける。


行ってみると小さな店で駐車場は2台分のみ。
そこに駐車待ちの車が側道に1台か2台常に待っている。
なかなか入り込めない。
ひとまず一周して様子を見ようと戻ってきたらさらに増えている。
そんなこんなでようやく入ることができた。
饅頭は白あんと黒あんがあって1個100円。皆白あんにする。
それと「コバルトアイス」こちらは1個250円。
饅頭は先代のおじいさんの作る方がおいしかったらしい。
アイスはブルーハワイのような水色。
最初硬くて、解けるのをしばらく待ってから食べた。
夏はかき氷として提供されている。


夕暮れ時。17時近く。帰り道どこかに寄っていこうと話す。
朝、行きの車の中で見た「世界一の九州が始まる!」という番組で紹介されていた
甲冑づくりのシェアが9割を超えるという「丸武産業」
これが鹿児島県薩摩川内市でここから60km。行けなくもないと。
しかし調べてみたら17時に閉まってしまうと。
鹿児島の夜は早い。飲食店も19時には終わるところがある。
番組では秋葉原の甲冑専門店も紹介されていた。
前から気になっていたけど、本気すぎて冷やかしでは入れなかった。


芦北の御立岬に行くことになり、朝来た道を引き返す。
新幹線の新水俣駅の横を通り過ぎる。
行きは無料の高速道路を利用したが、今度は下の道を走っていく。
確かに車の通りは少ない。輸送トラックもこちらを通らなくなった。
日奈久温泉の名産である竹輪もかつてほどの賑わいがないという。


御立岬公園に着く。
温泉センターの駐車場に停めて展望台へ。
西へ、天草の方角に沈む夕日を眺める。
鹿児島、熊本、長崎(雲仙普賢岳)と三県が見渡せた。
崖の下はコテージとなっている。さらにその下が海水浴場。
公園内はゴーカートやパターゴルフが楽しめ、海釣りも可能。
製塩所「塩(えん)むすび館」というのもあった。
僕らが夕日を眺めていると
年老いた猫がふらっと草むらから現れ、警戒しつつも僕らに近づいてきた。
僕らもまた少しずつ近寄って行った。
不細工で老獪だけれども人懐っこい猫だった。


温泉センターに戻る。
せっかくなので入っていく。だけどまあ僕一人だけ。
男湯は洗い場も浴槽もお年寄りで混雑していた。
いつもこうなのかはわからず。
2階の休憩所の座敷が半分貸切になっていて
そこでお年寄りたちが宴会を開いていたのでその組合か団体だったのだろう。
露天風呂は海に面していて、夕日を眺めながらお湯につかることができた。
海辺だったのでお湯を舐めるとしょっぱかった。


待たせているのでササッと上がって2階の休憩所へ。
女性たちは対岸の山際に沈みゆく夕日を写真に撮っていた。
オレンジから灰色のグラデーション。
こんなきれいな日没をゆっくり時間を取って眺めたのはいつ以来だろう。
100円を入れて90秒利用できる望遠鏡が
壊れていたのかお金を入れずとも遠くを見ることができた。
向こう側に張りめぐらされた電線を結ぶ鉄塔の先端が定期的にピカッと光る。
あれは明かりとしての意味だったのだろうか。


日も暮れて熊本市街に戻ってくる。
「行ってQ」では中華鍋世界大会なるものが開催されていて
宮川大輔が中華鍋ボブスレーや中華鍋ジャンプに挑戦していた。
八代市には「松中信彦スポーツミュージアム」があると誰かが思い出し、寄道してみた。
新幹線の新八代駅の目の前にあった。
案外小さな建物で、バットやボールやユニフォームなどを飾るならば
まあそれほどの大きさにもならんか。
松中信彦の家が羽振りのいい建築会社を営んでいたので建てられたのだとか。


21時頃戻ってくる。
上乃裏の駐車場に停めて、少し歩いた。
熊本で一番お洒落な界隈か。
この辺りはいつもとても混んでいるようなんだけど
日曜の遅い時間だったのでそれほどでもなく。
「小坊主」というおでん屋に入った。
古民家を改装して庭の広い、東京でもなかなかないような造り。
その庭のテーブル席でおでんを食べた。
2時間あれこれ飲み食いして4人で10,000円ちょい。
東京なら場所代込みでこの倍以上はするか。
ひとり7,000円ぐらいはしそう。


車で送ってもらって、妻はそのままカラオケに。
寝てたら午前4時頃上がってきた。