熊本へ その6

4日目、4/28(火)のこと。


8時起き。朝食時に「まれ」を見ようとしたらほとんど終わり。
昨日放送分で「あ、六角精児が出てる」「しかも割といい人役」と思っていたら
今日の最後で主人公たちの邪魔をする役だったと判明。


昨晩に引き続き教室にメールをいくつか送る。


この日も一家でお出かけ。
阿蘇山へ。妻の友人の住職が先週交通事故に遭ったのでお見舞いに。
住職はぜひ食べてほしいという阿蘇の牛乳を使ったケーキを取り寄せているという。
熊本市から東へ。菊陽町から立野を経て阿蘇山の麓のお寺へ。


鎌倉時代より続くという熊本では最も古いお寺。
国や県の指定した重要文化財の仏像を見せてもらった。
本物の仏舎利、つまりお釈迦様の骨も。
(それはまあほんの数ミリでしかなかったけど)
大黒天が今の姿になる前、中国から伝わったそのままの仏像があった。
荒々しい武運の神のようだった。全然違っていた。
七福神はアジア各地に由来すると聞いたことがあるけど、
日本に来た時に相当変化したんだな。


これら重要文化財はいくら自分の寺とはいえ
勝手に動かすことは許されず、
たとえ隣の建物に移すのであっても
専門の業者に頼んで何万と払うことになったのだとか。


お寺の外に石造りの階段があって
かの夏目漱石が熊本に住んでいた時期に訪れたことがあり、
二百十日」にそのときのことが書かれているという。
残念ながら上った先の本堂は2001年に不審火によって焼失してしまっている。
上ると門と石灯籠、小さな御堂を残すのみだった。


阿蘇山の噴火警戒レベルが昨年から上がって以来いまだ火山灰の放出が続く。
火口に近づいたと思われる車のフロントガラスにジャリッとした黒い灰がたまっている。
そういや来る途中、地面に降り積もった灰をホースの水で流しているところがあったな。
空中を今も漂っているようで、居合わせた人が激しく咳こんでいた。


昼は近くの「山賊旅路」へ。
「高菜めし」「山賊めし」「だご汁」でこの界隈では有名な店。
阿蘇は高菜が名産で、高菜めしを看板メニューにしているところが多い。
奥の座敷へ。山賊めし、だご汁、ホルモン煮込みのセットにした。
1,600円は高いなと最初思ったんだけど、いや、十分と感じるうまさだった。
特に煮込みが初日訪れた「かつ美」とはまた別のホロホロさ加減で。
味噌もほどよく甘みがあってコクがある。
同じ味噌を使っただご汁も先週の甲府で食べた「小作」のほうとうに通じる濃厚な味わい。
山賊めしは山菜の入った炊き込みごはん。これは高菜めしの方がうまかったかな。
壁にはメニューと共に訪れた多くの芸能人の色紙。広間の壁を埋め尽くさんとする勢い。
山口智充からじゅんいちダビッドソンまで、伊藤みどりから斉藤由貴まで。
天井には全国から集めた土鈴を吊り下げている。


夜食べようと妻が電話をかけて予約して「丸福」という店で手羽先の唐揚げを買う。
車に戻ってさっそく1本食べてみる。揚げ立てはたまらんですね。続けてもう一本。
味付けはあっさりとしていてなのにジューシー。何よりも手羽先がフレッシュ。
精肉店がつくる唐揚げだからだろう。


阿蘇の道の駅へ。家にお土産を買う。高菜漬と高菜茶漬けのもと。
住職が薦めていた、食品のミシュランで日本初の三ツ星を獲得した「ASO MILK」を飲んでみる。
確かにこれはおいしい。牛乳本来の濃厚な味がしつつ、上品なしっとりさがある。
水っぽいのではなく、しっとりさを感じた牛乳なんて初めて。