雑草というもの

今借りている家の玄関脇に花壇というか土を盛った一画があって
そこに春先、タンポポが生え出したかと思うとワッと広がって
あふれ出さんばかりになって、妻がエイヤと根元から引っこ抜いた。
ようやく土が見えたと思っていたら
その後すぐドクダミで埋め尽くされた。
どこからやってきたのか…


ドクダミ茶にすると妻が日曜の午後、半分ほど引き抜いた。
土を洗って束にする。
乾燥させるためにガレージの天井にポールを掛けて吊り下げた。
その後うかうかしてる間にすぐまた土が見えなくなってわっさわさと。
白い花はきれいなんだけど、その生命力を思うと少し不気味になる。


今日の朝、出勤のためいつもの道を歩いていたら
家を取り壊して分譲地となったところに差し掛かって
それまで気づいていなかったんだけど
土の上に掛けられた青のビニールシートを突き破って
雑草があちこち生えていた。
シートの掛かってない場所は
こんもり、のびのびと不揃いな列を成している。


ほったらかした空き地が大変なことになっているのを時々見かける。
腰の高さまで伸びた様々な種類の雑草がジャングルのようになっている。
誰も手出しできない空き家が放置されているのが最近問題となっているが、
空き地はどうなんだろう、と思う。
危険性は低いが、見ていて余り心地いいものでもない。
雑草の「雑」の字の持ついかがわしさを思う。


とは言っても雑草を嫌ってるわけでもなく。
自分はむしろ雑草、生命力に乏しい、繁殖力もさしてない雑草なのだと思う。
元巨人の上原投手がルーキー時代に
「自分は雑草だ」と語っていたのが今も心に強く残っている。
勝ちまくっていた新人時代に天狗にならず「雑草」と言えたことがすごい。
それがアメリカに渡って、オールスターゲームにも出場するのだから。
今もレッドソックスか。そのしぶとさ、生命力に嬉しくなる。
僕が入社した年に入団一年目ということもあって
以来ずっと最も関心のある投手だった。


それはそうとドクダミ茶はまだ飲んでいない。