初めてのMRI検査

6月末に受けた年に一度の詳細健康診断。
体重が70kgを切って、コレステロール他数値はどれも良好。
ただ一箇所、今年から追加したエコーの検査で脾臓に影が見えると。
それがなんなのか不明で、診断した医師としては気になる。
たまたま映っただけかもしれないし、悪性の何かかもしれない。
早めのMRI検査をお勧めしますとあった。


八重洲の健診センターに電話をかけると
近くのクリニックを紹介され、そこでMRI検査を受けることになる。
それが今日で朝イチ行ってきた。


朝9時の予約で30分前に受付。2階へ。
既に何人か先客がいた。
壁の掲示を見てみるとMRI設置台数が日本一、年間4.5万件の診断を行っているという。
狭くて細長いビルの上の階はどれもMRIないしはCTスキャンの検査室となっていた。


バインダーを受け取る。
ガドリニウム造影剤問診票、同意書」というのが一番上にあった。
写りやすくするために造影剤を飲むのだが、ごく稀に副作用があるらしい。
同意しますか? と。
確率論的に僕が当たることもないだろうと深く考えず同意する。
腎臓に病気があったりアレルギー体質だと可能性が高まる。
事前の医師の面談でもその辺り念を押された。


しばらく待って上の階へ。
更衣室で着替えて着てきたスーツをロッカーに預ける。
検査室に入る。テレビで見かけるMRIの機械が目の前に。
リズミカルな音が延々と反復している。CAN「I Want More」を思い出す。
機械から出ているのか。いったい何のためか。
それ以外は特に感慨を抱くまもなく、
さすが年間何万件と手がけるだけあって流れ作業的に物事が進んでいく。
診療台に寝て、毛布がかけられて、
僕が今回腹部の撮影ということで
胸の上には平べったい金属の台が乗せられる。


検査中音がうるさいからとヘッドホンをかぶせられる。
当たり障りのないライト・クラシックが聞こえ出す。
ピアノとヴァイオリンだけの室内楽、というような。
さっそく撮影が始まる。
ゆっくりと台が動いて上半身が筒の中へ。
目の前には真っ白な壁。
見続けているうちに淡い色に染まっていく。
目を閉じるとまぶたの裏の赤い色へ。
眠くなってウツラウツラする。
ああ、三途の川を渡るときってこんな感じなんだろうな、と思う。
左手には体調が悪くなったときなど何かが起こったときようの合図のブザーを握る。


筒の中に入ったらずっとそのまま。
撮影に合わせて何度も上下するかと思いきやそんなことはなかった。
ヘッドホンから聞こえる支持の声に合わせて、
時々大きく息を吸って、吐いて、息を止める。
ヘッドホンをしていても大きなノイズが聞こえてくる。
ビビビビビ、ガガガガガ、低い音でウゥーウゥーとサイレンのようなこともあり。
音によって機械の動き方が異なるのだろうか。
そもそも21世紀の今、音を抑えられないのだろうか。
抑えられないのだとしたら、静けさは二の次で
よほど特殊な専門性の高いことを行っているのだろう。


前半の撮影が終わる。
造影剤不要で鮮明に撮れていたならばそこで終了だったが、
まあ僕も人並みに造影剤が必要ということになって
一度筒の中から出て、左腕に注射の針を刺す。
また筒の中に戻って後半の撮影が始まって
最初は試しに水を流して腕の中がひんやりとする。
続けて薬剤を。特に具合の悪くなることはなかった。
何度か息を吸って吐いて、と繰り返すうちにすぐ終わった。
診療代から下りて待合室に戻って注射の針を抜く。
更衣室で着替えて終わり。


2階に戻ると次のタームでMRI検査の人たちが待っている。
会計を済ませると1万ちょっと。思ったより高くなかった。
終わって10時半。外は蒸し暑い。
OAZO丸善4回の「M&C CAFE」でハヤシライスを食べて出社する。


今回の結果がわかるのは、21日。