腎臓の病院へ 前篇 

先週金曜にMRIの結果を聞きに行くと偶然、腎臓の腫瘍が見つかった。
腎臓に関しては東京女子医大が最も症例を集めているとのことで、
健診センターで紹介状を書いてもらった。その場で電話をして予約を取った。
昨日28日、会社を休んで行ってきた。


いつも通り起きる。朝から小雨。
病院は新宿線だと曙橋、大江戸線だと若松河田にある。
大井町線で自由が丘まで行って副都心線に乗り換えて新宿三丁目へ。
新宿線に乗って一駅曙橋で下りた。


昔ながらの商店街に入る。小さな店が並ぶ。
抜けると老朽化した病棟が並んでいた。
そのうちのひとつは建替えが決まっていた。


通りを渡ると新しく大きな建物となる。
ショッピングセンターや区役所のようだった。
タリーズやローソンがあって、お見舞い向けの花屋もあった。
8時過ぎ、総合外来センターの受付へ。
初診の手続きをする。紹介状やMRIなどのデータの入ったCD-Rを渡す。
セカンドオピニオンの予約は必ず受付へ、とあった。


3階の腎臓病センターへ。隣は糖尿病センター。
エスカレーターの吹き抜けを介して反対側には「松本楼」があった。
問診票を書く。尿の回数を書く。そのうち就寝から起床まで何回とある。
移植のご希望という欄に腎臓、肝臓、脾臓とある。
なんだかゾワゾワする。
しかし将来的にもうひとつの腎臓もダメになったら移植もあるか、と思う。
家族の健康状態という欄があった。
祖母の年齢を僕は知らなかったということを知る。
80代なのか90代なのかさえわかっていない。


芥川龍之介の短編集を持ってきていた。
地獄変」を読むが、落ち着かない。
9時を前にして待合室はいっぱいになっていた。
見た感じ50代以上の方がほとんどだったが、
若い女性もちらほらといた。
まだ学校は夏休みということもあって、
親に付き添う子供たちの姿もあった。


9時過ぎに呼ばれて診断室のひとつへ。
担当の医者の方と挨拶をする。にこやかに笑っている。
MRI の画像を見ている。
自分は実は午前中、ピンチヒッターなのだと彼は打ち明ける。
午後になると腎臓がんの専門医が来るのでその時まで待てるかと。
え? と思うが仕方がない。大病院ってそういうことか。
一度帰って14時に再度見てもらうことにする。
2cm程度の大きさ。腫瘍は間違いない。
しかし良性なのか悪性なのか他の病気なのかはまだわからない。
なんにせよ早期なので心配はいらないと。
本来は10年ぐらいかけて少しずつ大きくなって
そうしないと見つからなかったものが
今は検査の仕組みが発達して、早いうちに見つかることが増えた。


病院を出て駅へと向かう。
商店街を引き返す。ここもまたコリアンタウンなのだろうか。
韓国の食材を扱う店や、韓国語教室、店名が韓国語の床屋があった。
来た時には気が付かなかった。