入院五日目

9月27日(土) 入院五日目

昨晩は22時の消灯で案外あっさり寝た。
湿布を両肩に貼ったのが良かったのかもしれない。
しかし中途半端に午前3時に目が覚めた。
トイレに行く。真夜中人気のない廊下を歩く。
看護師の方が見回りをしていて、病室から出てくる。
午前4時頃まで眠れず。
その後6時まで眠れることができた。
担当の看護師の方が朝の検診。
体温は36.0℃まで下がっていた。血圧も正常。採血をする。
便意を催す。トイレに急ぐ。出た。これで下剤の必要なし。
『ベスト・アメリカン・短編ミステリ2014』の続きを読む。
Valery Afanassiev のピアノを聞く。


朝食。病室まで一人で運ぶ。
マカロニサラダ、鯛?の西京焼き、味噌汁、ごはん、玉子のふりかけ、リンゴふた切れ。
食べ終えて歯を磨きに行く。顔をお湯で浸したタオルで拭く。
デイルームにミネラルウォーターのペットボトルを捨てに行く。


『非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE』を読み始める。
日勤の看護師は昨日と同じ方だった。背中の麻酔をオフにする。
その後傷口は少しチクチクする程度。麻酔なしでもいけそうだ。
泌尿器科の検診。傷口がきれいだと言われる。
11時前に背中の麻酔の管を抜く。ヒリっとした嫌な感覚がある。
ちらっと見ると青いビニールのような液体にところどころ覆われていた。


昼、天ぷらそば(海老、カボチャ、かき揚げ)、カボチャの煮物、ヨーグルト。
そば、つゆ、天ぷら、薬味のネギが別々の皿に入っている。


看護師の方に身体を拭いてもらう。
レンタルの浴衣が届かないと言うと、そんなはずはないとなって病棟の予備を貸してくれた。
二日ぶりの着替えでさっぱりした。


『非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE』が素晴らしい本だった。
本来埋もれるはずだった歴史の一部分をきちんと文章として残した功績は大きい。
一気に読み終える。一カ所引用する。
「ノイズっていうのは練習がいらないじゃないかって言われるけど、日々の生活が実は練習なんですと。
毎日毎日どう生きて考えて生活してるか、みたいなことが糧になって、それが演奏に反映されるんだと」
JOJO広重


明日の物語講座八綴の開講に向けて、周りでは準備が着々と進んでいる。昨日は教室割も発表された。


10時前に斜め前のベッドの人が退院して、すぐ別の人が入ってくる。年配の方。
それが午後退院。入院までの間にそれまで服用していた薬のうちのふたつを事前にやめておく必要があったが、続けていたらしい。
しかも薬はもらっているのをひとまとめに分包したしたものを飲んでいてどれがその薬か当人はわからない。
そもそも今日麻酔科の先生と話していて、この状態では麻酔が打てないとなった。
明日の手術は中止、手術の予定は組み直し。一度外来で先生に再度診てもらわないといけない。
これまでのやり取りの間に何か行き違いがあったんだろうな。
大変だ。こういうことよくあるんだろうな。
聞いてると、入院費は発生せず、昼の食事代のみ発生するらしい。


15時過ぎに妻が来る。差し入れに高野のフルーツ。
大相撲は千秋楽。
照の富士がまさか鶴竜に勝つとは。怪我を押して。気力の強い方が勝つとはこのことか。
優勝決定戦は鶴竜。勝負は負けたが、試合に勝った。
その後笑点大喜利


夕食は十五夜ということで月見団子と月見汁。
ポークチャップ、鶏挽肉とジャガイモの煮物。
妻が駅から来る途中に和菓子屋で買った栗を月に見立てた団子をデザートに。


月が見えるかもしれないとデイルームへ。
妻が母に電話をかけて電話をかわる。
涙が止まらなくなった。
「ふたりだから乗り切れたんだよ」と言われる。


19時を過ぎて妻を見送る。