無印良品というもの

正月に青森の実家で過ごしていたら
母が無印良品の半透明のクリアホルダーに
訪れた場所のパンフレットや写真を保存していて、
あ、これはスマートでいいな、と思った。


東京に戻ってきてから僕も同じようにクリアホルダーを買って
2階の書類の整理を始めた。
大型の茶封筒に突っ込んだままの半券やチラシや地図などが学生時代からざっと20年分。
これを「映画」や「演劇」といったカテゴリーに分けて、
不要なものをどんどんシュレッダーにかけていく。
土日や平日の夜を中心にものすごく時間がかかった。
10月も後半に入ってようやく終わりが見えてきた。


このクリアホルダーもA4サイズでポケットが40個の大きくて分厚いやつだと
1個600円ぐらいしたか。
けっこうな値段がするのでそんなにたくさんは一度に買えない。
月に3つから5つぐらいで細々と進めた。


最初は普通のA4サイズのだったのが、
夏前ぐらいからA4ワイドサイズしか見当たらなくなる。
横に広い。それはつまり並べた時の奥行きが揃わないということになる。
しかしまあいいかとそこは諦めることにした。
ワイドな方が書類を整理しやすい。


夏過ぎぐらいに今度はそのワイドサイズのが見つからなくなってきた。
渋谷とか新宿とか大きな店舗ほど見つからない。
二子玉川もアウトになったのでこの前は荻窪に行ったときに買ってきた。
一次的に在庫が切れているのだろう、と思っていた。
あ、だったら無印のネットショップで買えばいいやと一昨日の夜見てみたら
在庫なし、というか生産終了となっていた。
しまった。そんなことがあるのか。
慌てて探したら LOHACO のサイトに40ポケットのはもうなくなっていたけど
20ポケットのが多少残っていて、その残り8個を全部オーダーした。


昨日の夜は帰り道、目黒・武蔵小山・自由が丘でそれぞれ下りて
店頭在庫がないか探した。武蔵小山でかろうじて見つけた3個を買った。
身の回りで手に入りそうなものは全て買い占めた…


無印良品の売り場にクリアホルダーそのものがなくなったのではなく、
後継の製品は並んでいる。
しかし仕様が変わってしまって
それまで上から書類を入れるようになっていたのが
新しいのは横からとなった。
これがまた入れにくいし、入れた後も少し厚みのある小さなものだと
めくっているうちにずり落ちてしまう。
こりゃいかん、旧規格のじゃないと! となった次第。


衣類だろうと寝具だろうとキッチン用品だろうと。
無印良品ってシンプルなデザインでずっと同じものを売っているようでいて
細かいマイナーチェンジが頻繁になされていて、
売れ筋じゃない商品はどんどん消えていくんですよね。
ブランドイメージだけが一定に保たれて、ぶれない。
一流のラーメン屋は醤油なら醤油でいつも同じ味を提供しているようでいて、
季節によって素材の分量を変えて微調整しているのだという。
なんかそういうのと似ている。
カップヌードルが定番のカレーやシーフードを残しつつ、
新商品が表れては消えていくという方がもっと近いか。


会社員になったばかりの頃に買ったホッチキスが金属製で、
使いやすく手に持ったときも滑らかで
今も気に入っていて机の上に置いている。今も錆び付いていない。
自宅用にもうひとつ買おうと思って何年後かに店に行ったら
プラスチック製になってるんですね。
大きさも一回り小さくなっている。
機能性とかコストを追及したんだろうけど、なんだか寂しい。