TSUTAYA図書館の是非

TSUTAYA図書館の是非が問われている。
最初の佐賀県武雄市ではおしゃれな館内にスタバがあったり
その分騒がしかったり、Tカードが必要だったりで賛否両論だったけど
その次の神奈川県海老名市では
否定的な意見の方がネットでよく見かけるように思う。


今朝ニュースを見ていたら
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)とTRC(図書館流通センター)が
協業関係を解消したと。
TRCの会長のインタビューが掲載されていた。
TSUTAYA図書館に協業企業が呆れた理由」
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151029-00090216-toyo-nb


武雄市ではCCCがグループ会社のネットオフから
大量に中古で仕入れたという話があって、
さすがにそれはまずいんじゃないかと思っていたけど
(特にTRCの神経を逆なでしそう)
そのことについては触れていない。


・CCCの始めた「ライフタイル分類」が
 全国の図書館で一般的な十進分類法に則ってないので、
 利用者どころかTRCの職員が応援に行っても本が探せないということ。
・雑誌のバックナンバーや郷土資料の保存が軽視されたこと。
・ベストセラー小説と料理本ばかり、
 図書館がエンタメ化することへ危機感を感じるということ。


そうだよなあ。
TRCの姿勢も保守的というか旧守的なので全面賛成はしないけど
十進分類法が使いやすいかというと、どこか違和感を感じるし)
ここで言っていることは僕ももっともだと思う。
若者の図書館離れ、お年寄りばかりという現状を変えたいのはよくわかる。
新しい図書館を作るというとき、実際にはどちらかではなく
CCCとTRCの間のどこかに落ち着くポイントがありそう。


公共の図書館に何を求めるか? 何を求めるべきか?
僕自身は関わってる学校の関係で借りるときにはイッキにかなり借りるけど
事前に予約してカウンターで受け取るだけ。
amazon その他あちこちから情報を集めて、
最後図書館のホームページで在庫を確認して予約する。
図書館の書架を眺めて「これを読んでみよう」と思うことはほとんどない。
本棚に並んでるのはごく一部分じゃないですか。
実際、僕が借りる本はたいがい、
地下の倉庫から持ってきてもらうものばかりだったりする。
そういうところまで入っていいならまた違うんだろうけど。


なので僕自身は蔵書が豊富で、他館との連携がうまくいっていればそれでいい。
効率の良さ、ですね。
最近行ってる二子玉川ライズの図書館カウンターは
それこそカウンターだけで蔵書を持たない。
最初はぎょっとしたけど次第に慣れて、あ、これでいいんだと思うようになった。


TSUTAYA図書館に限らず、
その利便性について問題は大きくふたつに分かれるのだろう。
混同してしまうと答えが出なくなる。
・所蔵する本の豊かさ
・閲覧スペースの快適さ


それでいくと僕は後者を求めていない。だったらスタバに行けばいいんだし。
僕はそもそも場や空間としての図書館に期待していない。
僕のこういう態度がコミュニティとしての図書館をダメにしているんだなとはわかってる。
しかしなあ…、ここで本を読みたいと思わせる公共図書館に出会ったことがない。


TSUTAYAは後者に強い。前者はどうしても資本主義の原理が強くなってしまう。
本の選定は他に任せ、蔦谷書店やCD/DVDレンタルやスタバを入れず、
空間デザインだけアドバイスするというのが一番いいんじゃないかと思う。
TRCの範囲も本来前者だけ。その辺うまく住み分けできたはずでは。もったいない。