『ONE PIECE』というもの

今更だけど『ONE PIECE』を読んでいる。
会社の後輩から春先にまとめて借りて、
しばらくほったらかしていたんだけど
退院後の自宅療養の間に読み始めて、
すぐにもはまってこの1ヶ月の間に51巻まで読んだ。
今は79巻? その気になれば年内に読み終わるか。


感心した。
子供の頃、ジャンプの連載でワクワクした気持ちが甦る。
しかもそれは単なるリバイバル的な真似事ではなくて
21世紀、40歳の僕にもぴったりフィットするようにアップデートされている。
笑えて、泣けて、勇気が出る。
ジャンプのキャッチフレーズ「友情・努力・勝利」を
ここまで体現した漫画はないだろう。


結局はジャンプ王道の 強い敵に出会う→仲間となる の繰り返し。
なのにこの面白さは物語世界(ワールドモデル)の大きさと緻密さ、
魅力的なキャラクターということか。
この作者は物語の何たるかをよくわかってるな、と思う。
しかも初めての連載なんでしょ? 天才だ。
そういや、この尾田栄一郎という方は
誕生日:1975/01/01が僕と全く同じなんですよね…


好きなキャラクターは「ウソップ」だったりする。
力は弱いけど故郷を大切に思う気持ちが強くて、
4巻だったか5巻だったか。
敵に負けてボロボロになりながらも立ち上がる姿に泣いた。
ドラえもん6巻の最後、「さようなら、ドラえもん」ののび太を思い出した。
あるいは若い頃にアシスタントだったという
徳弘正也の「シェイプアップ乱」の方が近いか。


最近ふと気付いたのが主人公:ルフィの不気味さ。
普通この手の漫画は主要な登場人物に「負」の部分があるもんだけど
それが全くない。
「海賊王になる!」という強い思いがあるだけ。
そしてむやみやたらに強い。強くなっていく。
なんかここまで来ると虚無すら感じる。
こういうキャラクターを描いて違和感を感じさせず、
ストーリーも破綻しない、単調にもならない。
こういうところがこの人の上手さなんだな。