先日某所に書いた「私の好きな『物語』ベスト10」
入院している間に考え始めて、いろいろ考えているうちにこうなった。
そのとき寄せた文章も合わせて。
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1 : アーサー王伝説
2 :「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
ポール・ゴーギャン
4 :“I Knew These People”
(『パリ、テキサス』にてマジックミラー越しに語られるサイド・ストーリー
ライ・クーダーの音楽が背後に流れる)
5 :「I Speak Because I Can」Laura Marling
https://www.youtube.com/watch?v=qnrI5RsZEdc
8 :『LET IT BE』LAIBACH
10 :『半神』野田秀樹
手術を終えて1週間、カテーテルやドレーンを体に刺しながら病棟のベッド
に横になっていた。本を読むのに疲れるとiPhoneで音楽を聞いた。Roxy Music
『Avalon』に差し掛かったとき、「ああ、ちょうど今開講の頃か」と気付いた。
天井のタイルが繰り返す無機質なパターン。手にしたiPhoneの画面がアルバ
ムのジャケットを映し出している。アーサー王の後姿。死を前にして地上に残
された最後の楽園、アヴァロン島へと向かうところだ。
伝説の聖杯を求めて騎士たちが円卓に集う。旅の途中で出会う麗しき乙女に
忠誠を誓う。彼らは戦い、傷つき、別れ、やげて力尽きる。しかし悔いはない。
ここではないどこかを、そこにしかないものを求めて、人は生きている。僕
もあなたも生きている。なのに日々のそれなりに忙しい暮らしの中で、いつし
かそのことを忘れてしまう。だから時々思い出す必要がある。物語を見たり聞
いたり読んだりするというのは、そういうことなのだと思う。
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小説を挙げていったらキリがなくなった。
石牟礼道子『苦海浄土』
村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
ガルシア・マルケス『百年の孤独』
ジョン・アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー』
ウィリアム・フォークナー『八月の光』
マイケル・ギルモア『心臓を貫かれて』
ジョーゼフ・ヘラー『キャッチ=22』
スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』
P・K・ディック『暗闇のスキャナー』
この辺りが上位に入ってくる。
今回は一切なしにして、映画や漫画や演劇から選ぶことにした。
だったら音楽や絵画が入ってもいいだろうと思った。
ちなみに、今から6年前だとこんなラインナップだった。
半分が入れ替わった。
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1:『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹
2:『アーサー王と円卓の騎士』ローズマリー・サトクリフ
3:『アンダーグラウンド』エミール・クストリッツァ
4:『ハイペリオン』ダン・シモンズ
5:『ホテル・ニューハンプシャー』ジョン・アーヴィング
6:『火の鳥』手塚治虫
7:『AKIRA』大友克洋
8:『心臓を貫かれて』マイケル・ギルモア
9:『所有せざる人々』アーシュラ・K・ル=グィン
10:『パリ、テキサス』ヴィム・ヴェンダース
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来年も恐らく答えることになりそうで、
さて、どうなっているか。