不審者

昨日の朝のこと。
6時前に目を覚まして、夜が明けきらずまだ暗い中、
ゴミを捨てに行こうとして外に出て玄関に鍵を掛けた。
隣の家の前に誰かがいる。
60から70ぐらいの男性。
薄手の長めのダウンコートのようなものを着て深く野球帽をかぶっている。
小さなメモ帳になにやら書き込んでいる。こんな時間にどうにもおかしい。
隣の家は元々大家さんの家で、事情があって今は空き家になっている。
え? もしかして空き巣の物色?
「おはようございます」と言うのも変だしな、と迷っているうちに通りすぎる。
「なんですか? あんた?」とけんか腰に聞いたら何されるかわからない。
起きたばかりで頭もさほど働いていない。
ゴミを出して戻ってくると男は僕が行き来したト型の道の
反対側を遠ざかっているところだった。


着替えて出社する。妻はまだ寝ている。
警察に電話しよう、いや、帰りに駅前の交番に寄ろうと決める。
そろそろ出社した頃を見計らって妻に LINE で伝える。
なんで声をかけなかったの? という話にやはりなった。失敗した。
迷ってる場合じゃなかった。
「何か御用ですか?」とかそんなんでよかった。


契約している不動産屋に相談した方がいい、となった。
「警察に届けてくださいと言われるだけじゃない?」
「それでも。こういうときは騒ぎ立てるぐらいがちょうどいい」
コールセンターに電話する。
契約した店舗が本日定休日だったため
明日担当の方に折り返してもらうことになった。


うーん、どうなるか。
声はかけそこなったが、少なくともガチャガチャと鍵をかける音は聞こえたはずだ。
この家はダメだ、ちゃんとしてるとメモしてくれていたらいいが。
なんにせよこのままじゃいかんな。
恐らく日を置いてまた様子を伺いに来るだろう。
あのあとこちらも防犯意識をさらに高めましたとアピールするため
リビングの窓の外から見えやすい位置に防犯ブザーをつけることにした。
ガレージのガラクタも捨てる。特に箱の形を残したダンボール。
(その他の打ち手についてはここに書かない)


ネットを見るとチャチな防犯ステッカーやダミーの防犯カメラは逆効果と知る。
ゴミをほったらかしていない、窓が汚れていない、雑草を片付ける、
新聞や郵便物がたまっていないなどの
きちんとした生活態度を見せたほうがよほどいい。
玄関のドアは鍵を2つつけて、戸締りは常に怠らない。


昼休み、妻が送ってきたリンクを見る。
セコムのホームセキュリティは1ヶ月4,500円から。
安全を金で買うと思えば安いもんだけど、高齢者や子どもの見守りは今のところ不要。
長い期間不在にするための対策も不要。
そういうの省いて半額ぐらいにしてくれたら喜んで契約するのだが。


このページとても勉強になった。
「元泥棒が質問に答えた実際の空き巣の手口」
http://www.teguchi.info/akisu/364/


あれこれ見ているうちになんだこりゃ? と苦笑したのが
「究極の防犯住宅 泥棒が建てた家に学ぶ 防犯 まとめ」
http://matome.naver.jp/odai/2136184912012023701


妻曰く、以前警備会社の人に聞いた話では
「自分の周り半径数100メートル以内に必ず1人は犯罪者がいる」と。
それが現実。
高校の友人も先日、夜中ふと目が覚めてトイレに行こうと
玄関の近くを通りがかったら、ピッキングで開けようとしているのに気付いたという。
向こうもすぐ察知して逃げてしまった。
警察を呼び、その日のうちにドアの鍵を2重にした。
別の友人も以前、空き巣に入られたと言っていた。
全然他人事ではなかった。
それが世の中の現実だとして用心しながら暮らす。
東京に住むってそういうことか。