インチキなコスト意識が飲食店をダメにする

金曜、例の京都の牛カツ屋へと下位者の後輩たちと行ってみた。
プレオープンイベントで通常1,280円のロースカツ御膳が500円になるというので
月曜に行ってみたら長蛇の列で諦めたという例の店。
この日行っても店の前は少し行列。
10人ほどなのですぐだろうと加わることにした。
なにしろ60秒でカツを揚げるので肉がレア、ローストビーフのようだという話だ。
回転が悪いわけがない。


…それが。
いつまで経っても列が減らない。中に案内されない。
見るとガラス張りの店内、手前のテーブルふたつともお膳が片付けられていない。
店員が足りてないのだろうか? いや、2・3人いるようだ。
忙しくあちこち動いている。お茶のポットを運んだり。レジに行ったり。
でも、なんだか覚束ない。自信がない。無駄が多い。
僕らの後ろに並んでいた人たちも
「あれ片付けたら入れるのにな」と言っていた。


そんなこんなで10分以上してから店に入ることができた。
ああ、と一目見てわかる。
このフロアの人たち、接客業初めてだ。
何していいか、マニュアル通りのことしかわかってない。
しかもそれが全部頭に入っているわけではない。
テーブルの上のお膳が片付けられていないのに
一人の店員はまず椅子の上の埃をはらって椅子を並べ直していた。
それが京都流のこだわりなのだろうか。


そんなわけで注文してから出てきた牛カツは冷めつつあった。
作り置きを出されたのか? というような。
だったらもっと早く出てきてもいいだろう。
カツを揚げた後にお膳の上の何かが足りなくてずっと待ちになっていたのか。
あるいはできたお膳がほったらかしにされて
店員は他のことでてんてこまいになっていたか。
そうか、60秒で揚げるはあくまで60秒で揚げるであって、
90秒以内に配膳されるとは言ってないもんな。
カツそのものはおいしかった。
これが揚げたてをスッと出されたらよかったのにな。


最後もう一つ「ありえない」と思ったのは
レジで払おうとしたら1,280円というのが税抜で、実際は1,390円となったこと。
え? もっとすんの? 最初から税込で書くか、せめて税抜とわかりやすく書けよ!
2回目はないな。
この日並んで店内を覗き込んだ人たちは皆そう思ったはず。


この店舗に以前入っていた大阪から東京初出店だったカレー屋も
同じようにオペレーションがおそまつだった。
2回続けてだと「なにかあるのか?」と疑いたくなる。
東京で店を出すということを甘く考えているのだろうか?
彼らはきっと勝負しに来ているはずだ。
ならばなぜ、素人を雇うのだろうか?
オペレーションを組み立てるプロがきっちフロアの導線をつくるか、
あるいは積極のプロを雇うか普通しないのだろうか。
いいバイトが雇えないぐらい東京は売り手市場なのだろうか?


前の店も高級感を出そうとして強気の値段設定だった。
カツカレーに卵などトッピングして1,500円。
メニューそのものは悪くない。
だけど1,000円でもいい。
それを1,500円にするだけのサービスが
全くない状態でオープンを迎えるというのはおかしい。


こんなんで金をとるのか。びっくりした。