国分寺の居酒屋の話が、いつのまにか南方熊楠の話になる。
数年前、熊野古道を歩いた後に立ち寄った紀伊田辺には
「南方熊楠顕彰館」というのがあって、入ってみた。
http://www.minakata.org/
友人が企画展に「熊楠と猫」というのをやっていたと見つける。
開催は2月から3月にかけて。
おっ? と思うが、残念なことに去年のだった。
http://www.minakata.org/cnts/news/index.cgi?c=i150207
そういえば昨日は「ニャーニャーニャー」ということで猫の日でしたね。
水木しげるの描いた熊楠伝がその名も『猫熊』
http://www.amazon.co.jp/dp/4041929075
この世にこんな人は二度と現れないんじゃないかという
パワフルな鬼才が同じくパワフルな記載を描く。
とんでもない奇書だった。
ごった煮の濁流が海にぶつかって逆に呑みこまんとするかのような。
南方熊楠の人となりがよくわかった。
水木しげるの描く伝記はヒットラーのも読んだことがあるが、あれよりもよかった。
「通じ合う」何かがあったのだろう。
『猫熊』の狂言回しは猫。
南方熊楠が猫好きなのは有名だが、
ただ単に水木しげるがパンダの中国名「熊猫」をひっくり返して
ガハハと笑っただけのようにも思う。
この猫が間に挟まるというのがよい緩衝材になった。
天才が天才を、というか妖怪の親玉が妖怪の親玉を
真っ向勝負で描いていたら息苦しくなってしまう。
ほどよい距離感が生まれた。