ふくしま再生プロジェクト「ふくしまの記憶と祈り 大地と空の物語」

「ふくしま再生プロジェクト」の12月の東京イベントに続き、福島でのイベントが開催。
前回いけなかったこともあり、今年は手伝いに行ってきた。
http://refukushima.blog.fc2.com/blog-entry-42.html


朝6時前に起きて車で行く。
帰りはともかく、行きは自分一人で福島まで行き通してみようとするが
合流地点でぶつかりそうになったり、
東北道で試しに車線変更しようとしてやはりぶつかりそうになったり。
妻に何度も「いい。私が代わる」と何度も言わしめる。
しかしここで諦めたら車に乗らなくなるだろうなと意地を張って
安全運転を心がけるからとそのまま乗って行く。
そしたら今度は横風が強くて何度もハンドルが持ってかれる。ヒヤヒヤした。
どうも運転しててふとした瞬間に右に寄っちゃうんですね。
左のサイドミラーを見たときとか。
なんでだろうと思いながら走ってるとどうも
妻曰くそんなときは肩の力が入ってて前のめりになっていると。
ハーレーに乗るぐらいの気持ちで座席に体を預けたら意外と安定した。
ハーレーのあの姿勢も実は楽みたいですね。
郡山南ICを出て、後は会場の「ミューカルがくと館」までおおむねまっすぐ。
どうにかこうにか運転を代わらずに目的地まで来ることができた。
東北まで来ることができたというのが、嬉しい。
そういや、途中の蓮田サービスエリアで練り物をたくさん刺した串を買った。
コーン、チーズ、ウインナー、アスパラガスなどなど。


11時開場入り。10時前からリハーサルしていたらしい。
僕はこの日動画を2本再生と会場のビデオ撮影、スナップ写真撮影。
三脚を立ててビデオカメラをセットして固定で撮影する。
出演者と、時々入場者と。こちらはそれほど難しくない。
動画の方が何かと大変だった。
ノートPCにDVD-Rを入れると自動的に再生されるが、
無音・無映像部分がなくすぐ本編が始まる。
頭出ししておくことができない。試行錯誤してどうにかこうにかできたが、バタバタ。
ノートPCとプロジェクターをつなぐ音声ケーブルがなくて
ノートPCのスピーカーにマイクを繋げて音を拾ったり。
そのマイクをONするのを忘れたり。


今回のメインは「ギタリスタスあだたら」の方たちによるギター演奏。
主催する渡辺隆さんとその教え子たち。
(会場の設営や運営もギター教室の方たちがほぼ全部やってくれた)
http://www.geocities.jp/ayapond/adatara.con.html
クラシックギターのことは詳しくないため曲目はほとんどわからず。
作曲家ではA・セゴビアやヴィラ・ロボスがかろうじて分かった程度。
ビートルズの「イエスタデイ」やドビュッシーの「月の光」
アメリ』のテーマソングといった馴染みのある辺りで一息つく。


渡辺さんが人格者・教育者として素晴らしく、
それが教え子たちの個性を伸び伸びと開花させていた。
実際、今回演奏したメンバーの中には高校や大学の全国大会で優勝した方がいた。
とてもレベルが高い。しかし、おごらず。コンテストのために教えるのではないと。
その人の短所を気付かせて、長所を伸ばすだけだと。
教えることよりもまずはレッスンの時に会ってこの間何があったか話すのが楽しいのだという。
だから世界的有名な人のコンサートに行くよりも、
自分の教え子たちの発表会に出る方が比較できないぐらい楽しい、嬉しい。
それをにこやかに話す。
ああ、ここまでの境地に達した教育者は日本に今、どれだけいるだろう?
そんな素晴らしい師のもとで学べるのだから、目の前の彼ら・彼女たちは幸せだと思った。


震災の時にこんなことを考えた。
「最初の1・2年はたくさんボランティアの方々が県外から来ててんてこ舞いだ。
 そんなとき僕ら福島の人間は普通に日々を生きていくのがいい。
 何年後か僕らの力が必要とされる時が来る。その時まで力を蓄えておくのがいい」
そうか、そうだよな、と思った。
ギターを弾いた若者たちも震災の時には自分のことで精一杯で
見知らぬ人たちのためにボランティアしようなんて思う余裕もなかったという。
そういうもんだよな。
それが今回縁があって、復興にわずかなりとも関わるイベントに出演することになった。
僕ら夫婦も県外、しかも東京から人がわざわざ車に乗って
手伝いに来るなんてびっくりです、ありがとうございますと言われた。
こちらとしては、いや、あの、単なる手伝いなので、という感じだったけど。
東京から見える十羽一絡げの福島と、福島の中から見る福島は違う。


ある方はしばらくギター教室に通えず、南相馬で除染の仕事に従事しているという。
ある方は震災でも命からがらギターを救うことができて、
自分はまだギターを演奏すべきなのだと感じたという。


今回演奏したメンバーのうちひとりは四月から医者として働くことになり、
ひとりは大学に通うため福島を離れ東京に出る。
この面々でステージに立つのは今日が最後だった。
教え子たちがどんどん巣立っていって、渡辺さんはそれを快く見送る。
その場に居合わせることができてほんとよかった、と思った。


同じ会場の別の部屋で懇親会。
Strawberry Cones Pizza」のピザがおいしかった。
宮城・福島エリアだけなのかな。
本社は宮城らしいけど。


片付けを終えて郡山駅前のドーミーインまで戻ってくる。
車を停めてチェックインして荷物を置いたのちに夜の街に繰り出す。
飲み屋街を歩いて福島料理を出す居酒屋へ。
福島珍味三種盛り(イカ人参・ニシンの山椒漬け・鮭の紅葉漬け)や
鶏皮のモツ煮込み、馬刺しを頼む。
ビールの後、福島の地酒。キリッとした「田村」と甘口の「穏やか」
しっかり堪能して、帰ってきた。
ドーミーインの夜鳴き蕎麦には間に合わず。
大浴場で疲れをいやす。