ポスト・クラシカルという音楽

緑のある空間によく合う音楽ということで
次回は「ポスト・クラシカル」にしようと考える。


代表的なところでは
Hauschka, Nils Frahm, Olafur Arnalds, Ludovico Einaudi, Johann Johannsson
といった辺りが思い浮かぶ。Peter Broderick なんかもそうだろう。


だけどどういう音か、言葉で説明するとなると難しい。
古典的で旧守的なクラシックやBGMで流れるライトクラシックでもない。
小難しい現代音楽でもなく、踊れるエレクトロニカでもない。
アンビエント・ミュージック/環境音楽から生まれつつも
ヒーリングやニューエイジと呼ぶとなんだか違う。
音響系やドローン、ミニマル・ミュージックは近いかもしれない。


演奏の形態というか楽器で言えば。
時としてコンピューターなどの電子楽器を援用しつつ
室内楽のような少人数の楽器編成で、あるいは一人で、
多くはピアノを主体として演奏される
アコースティックでオーガニックな音楽。
静かで無機的な音の佇まいのようでいて、どこか懐かしく優しい。
その淡い音の連なりは雨音や波の音や木漏れ日を思わせる。
機能で言えば半分は癒しとかリラックスなんだろうな。


全然言い方を変えるとこうなる。
クラシックとそれ以外の周辺の音楽との境界線上にあって
行き来する現在進行形の音楽。
100%クラシックではないが、100%何か他の音楽でもない。
…この方がしっくりくるように思う。


「ポスト・クラシカル」の「ポスト」が曲者なんですよね。
「反」だと分かりやすい。「ポスト」とつくことによって
クラシックのこれまでとこれからを結局含むことになる。


そのルーツは現代音楽からクラシックだと
スティーヴ・ライヒフィリップ・グラスからテリー・ライリーなどもそうか。
傍系としてカールハインツ・シュトゥックハウゼンの電子音楽
それがジョン・ケージ、さらにエリック・サティへと遡っていく。


ロックのフィールドだとなんと言っても
アンビエント・ミュージックの提唱者であるブライアン・イーノ
同じレーベルにあった Penguin Cafe orchestraハロルド・バッドの辺り。
例えば King Crimson「Trio」のようにバイオリンを取り入れたグループが
メロトロンを駆使しつつあたかも室内楽のように演奏する接近のケースもある。
最近だと Radioheadジョニー・グリーンウッド
BBC 専属オーケストラの作曲家になったとか。


日本だとなんといっても坂本龍一か。
クラシックかロックかと二律背反だったのが
クラシックもロックもと二項同体となったところにポスト・クラシカルが生まれる。


これら美しくも過度な主張のない音楽と言うことで
映画やCM、演劇やコンテンポラリーダンスに使われることが多い。
坂本龍一を思い浮かべれば分かりやすい。
ヴィム・ヴェンダースが撮ったピナ・バウシュの舞踏団のドキュメンタリー
「Pina」のサントラを手がけた三宅純。
この流れではアルヴォ・ペルトウィム・メルテンマイケル・ナイマンもそう。


うーむ、まとめるのがなかなか難しい。
しかもこれ、2時間もとなるとかなり眠くなりそうな…