震災時の情報の扱いについて

こんなことがあった。
熊本の震災後、facebook にてクローズドなグループが作成され、招待される。
安否確認や情報交換を目的とすると説明が書かれている。
大半の人が東京など被災地から遠く離れている。
ふーん、と思う。しばらく様子を見る。


次第にこうなった。
それぞれ目についたものをどんどんグループ内にシェアする。
個人ブログやニュースサイト、facebookの投稿を問わない。
役立つもの、有用なものとしてシェアするんだろうけど、
「参考までに」というレベルのものもある。


そのうちに情報が溢れすぎて収拾がつかなくなり、
スレッドを立ててそこに発言を集約させようとなる。
「被災地向けお役立ち情報」「熊本の今の状況情報」「支援物資関連」「原発」など。
一見効率がよいように見えて、集まってくる情報がとりとめないことが露呈する。
「情報交換」以上の目的がないため、どこに向かっているのかがわからない。
何を基準に集めるべきか指針がないため、誰にどう役立つのかがわからない。


そのうちにうんざりして人が離れていく。
本当に情報を必要としている九州の人たちを中心に。
このグループは結局なんだったのか?


いくつかの教訓を得る。
・何をシェアして何をシェアしないか、キュレーターというか目利きが要る。
 その人がシェアするか、あるいは指針を示すか。


・専門的な知識を持つ人が第一次ソースとして不特定多数に向けて送る分にはOKだが、
 それを中継する人が不特定多数に向けるから混乱が起こる。
 情報の価値、意味がなくなる。


・誰のために、何のためにそのシェアが必要なのか明確にする必要がある。
 何かをしないではいられないから、というだけの理由で
 盲目的にシェアやリツイートをされると
 その情報を本当に必要な人がいても埋もれてしまう。
 それは自己満足に過ぎない。(拡散希望を除く)


情報の価値とそれを誰が必要としているかを具体的にわかっていない人は
有事に余計なことをしないほうがいい。気持ちはありがたいが。
東京にいて、熊本は遠くであって、
特に身近に感じることのない「向こう側」であるのなら、それなりの接し方があると思う。
無差別に「参考までに」を送るのではなく。
それが礼節だと思う。
観光客が土足で踏みにじってるようなことは、こんなときはなおさらしてはいけない。


3.11のときにも十分語られてきたことだけど、
自ら巻き込まれてみていやというほどわかった。