伝わる文書を書く

会社の後輩たちに関して
文章表現力を高めて、周りに伝わるドキュメントが書けるようにしてほしい
という話になり、考える。
どういうカリキュラムで何をしたらいいだろう。
それぞれのウィークポイントに合わせて指導するか、一般論を語るか。
どれぐらい時間を割いて準備して、どれぐらいの時間をかけて稽古するか。
なかなか悩ましい。
一般論的なお題を3つ出すということで仮起きする。


何か一冊読むなら大野晋『日本語練習帖』がいい。
そのことは伝えている。しかし読んではいない。
ここから抜粋するか。いや、違うか。
目的はビジネス文書だ。
確実に言えるポイントがいくつかある。
5W1Hを押さえて状況を要約する
・主語と述語を明確にする
・一文を短くする(的確に「、」「。」を用いる)
・誰に伝える文書なのか想定する
・背景と文脈を踏まえて文章を書く(地が変われば図も変わる)
・キーワードを据える
・モードに沿った語彙から選ぶ(幼い表現、ミスマッチな表現を避ける)
・メールなのか文書なのかメディアを意識する


その他、気をつけたほうがいいこともある。
・文脈によって多様に解釈可能な言葉を何度も繰り返さないこと
・はっきり断定すべきときと思いを述べるときを使い分けること
・接続詞や助詞の理解を深めること
・体言止めを使うべきか否か
・時制の考え方(過去・現在・未来、どれが適切か)


編集学校でもやってることだけど
・身の回りのことから5W1Hの各項目を取り出してもらって
 それを100字ぐらいの文章にする
・気になった新聞記事からキーワードを3つ挙げて
 それについての背景や予測についての考察を200字ぐらいの文章にする
・特に誰に向けたわけでもない文章(日記など)をまず書いて、
 友人のLINE向け、会社の上司向けのメール、設計書内の特記事項に書き分ける
といった感じで、1回のお題で手順を2つか3つに分ける感じかな。
次は試しにお題と回答のフォーマットをつくってみよう。

    • -

付記


ビジネス文書だと以下の観点も必要か。
・結論から先に書く
・だである調とですます調の使い分け(敬語表現)
・修飾する語は修飾される語の近くに置く
 複数の修飾語があるときは長いものから先に置く
・指示語(こそあど言葉)を明確に、置き換え可能なときは置き換えた方がよい
 例「それ」が一文中に何度も登場し、それぞれ別な対象を指し示している