青森松竹

昨晩は映画のパンフレットを箱詰めした。
中学生の頃に映画を見始めて
劇場で見たときには必ず買うという習慣が今でもあるから
ダンボールにして3箱分になった。
今回はさすがに捨てられなかった。
でも挟まってた大量のチラシは大半を捨てた。


まだ見ていない、よく知らない映画のや
ヴェルナー・ヘルツォーク監督や園子音監督の特集上映などを20枚ほど残した。
その中でこれは全部取っておこうとしたのが今はなき青森松竹の月報。
「AOMORI SHOCHIKU CHINEMA NEWS」とでもいうのか。
1989年のvol.5,7,11,12,13の5枚。
ピンクや黄土色の紙に黒の単色摺り。裏表2ページ。
手書きではなく明朝もゴシックも様々な書体の活字を使い分けている。


1989年5月の vol.5 で取り上げている映画は
夢の祭り』『リバイアサン』『ザ・フライ2』『BAT★21』『226
懐かしい…、『リバイアサン』と『BAT★21』は確かにここで見た。
それぞれに作品解説が載っている。
パンフレットの要約なのだろうか。
それとも宣伝素材が配給会社から回ってくるのを適宜利用しているのだろうか。
もしかしたら自分で書いているのか…!


毎号毎号映画を紹介する枠のサイズが固定されているのではなく、
広告欄以外は決まったフォーマットがない。
編集者が、恐らくひとりの映画好きが、毎回苦心しながら手作業している。
たぶん広告営業も自分なんじゃないか。
この vol.5 は映画紹介の横長の枠が並んでいる隙間に
よく見たら1行ずつ小さな字でコメントが。
少なくともこれは自分で書いたんだろうな。


 「酔った勢いで言ったことが本当になってしまって非常に反省しております」
  ビートたけしが遂に映画監督としてデビュー。
  8月公開の『その男凶暴につき』がそれで、主役の刑事も演じる。
  ハードな捜査で警察も手を焼くある刑事が、
  友人と妹の命を奪った巨大麻薬組織に立ち向かうという内容。
 「最初のカットの時、ヨーイ……ドン、っていったら誰も笑ってくんなくて…」
 「とかく日本の刑事ものというと『あぶ刑事』とかありますが、
  姿かたちからしてああいうのはには成りえないし、
  大体町中でいきなり拳銃ぶっぱなす刑事なんて日本にはいないんですから」
  夏にご期待。


もちろん、今はもうこの映画館はない。
新町通りのはずれにあって、同じ建物内に
味噌カレー牛乳ラーメンで有名な「味の札幌」があった。
僕が大学生の頃までは映画館があったかな。
1999年に就職して何年かしてから閉館した。
この「AOMORI SHOCHIKU CHINEMA NEWS」を作っていた人は今、
どこでどうしているのだろう?
映画を見てるだろうか。
シネコンの台頭をどう思うだろうか。


裏面の広告は「Oldies live pub ぶーフーWOO」「純粋黒豚 (株)さとう精肉店
「COFFEE HOUSE 紙風船」「喫茶スナック デレッキ」「スピードプリント35分 NICOM」など。


同じく新町にあった「みゆき座」「ミラノ座」のニュースも1枚だけ出てきた。
キャノンボール 新しき挑戦者たち』同時上映が『ザ・デプス』
これも見に行ったなあ。当時は深海ホラーがブームで
リバイアサン』も『アビス』も見たけど、
この『ザ・デプス』が地味だけど一番面白かった。
深海の基地の中で一人また一人とクルーがやられるんだけど
リバイアサン』も『アビス』も凶暴な巨大生物が襲うだけなのに対して
『ザ・デプス』は人間たちの愚かさやエゴで自滅していくんですよね。
そんなことも思い出した。