インテリジェントビルというもの

朝、ラッシュを避けて7時半前にオフィスに着く。
飯田橋のインテリジェントビルに移転してきて約1ヶ月。
初めてフロアに誰もいない、一番乗りとなった。


サッカーができそうなくらいに広い。
そこに机とPCがずらっと並んでいる。
プロジェクトごとに島を形成していて、
細胞の新陳代謝のように日々入れ替わるので
向かいに座っている人の名前はわからないし、言葉を交わすこともない。
せっかくなので写真を撮る。
(書類とか個人名のわかるものが写らないようにして)
妻に送ると、無機的で工場みたいだという話になった。


都心のインテリジェントビルで働くって聞こえはいいけど…
実際どうなんでしょうね。
始業前とか昼休みの始まりと終わりの頃はエレベーターが行列になってしまう。
低層階、中層階、高層階と分けていてもそれぞれ混雑している。
新宿の本社もそうだなあ。
どこもそうなのだろうか。解決策はないのか。
もしかして設計する人たちは
こういうビルの高層階にオフィスを構えることはないのか。
ハードウェア、インフラ的になんとかしようとすると莫大なコストがかかって、
朝早く来るとか、昼休みの時間をずらすぐらいしかできることが思いつかない。
あるいは階段を14階や15階まで上るか。
(地下にリモートアクセス用のPCが置いてあってメールの確認など必要最小限の仕事ができて、
 空いた頃にログアウトしてエレベータで上の階へ、というのも考えてみた)


眺めはいいですけどね。でも嬉しいのは最初の一瞬だけ。
オフィスは2階や3階にあって商談の時は最上階のカフェで、
というのが一番いいように思う。


最近読んだ『マクロウィキノミクス』という本にあったんだけど
先進国の都市では4割の土地が道路なのだという。
ほんまいかなとも思うが、仮に1割と考えたとしても
オフィスビルにおけるエレベーターや階段の占める割合は低い。
絶対的に足りてないんじゃないか。
一方で「エレベーターがフロアの至るところにあったらパッと見おかしい」
「その分オフィスとして賃貸ししたい」と人は思うものであって。
その4割の道路が常に車の流れているわけではなく、スカスカの時間帯もけっこう多い。
エレベーターもその辺り効率化を図りたい。
そもそもオフィスビルでは夜間、エレベーターが使われることはほとんどない。
いろんな計算があって今の本数なのだろう。
ビルを管理する会社もノウハウが溜まってないわけではないだろうし。
平均利用率の指標のようなものがあって。
専門的に研究している大学の先生も大勢いるのかも。


3台並んでいるエレベーターがあって
1階で「上」ボタンを押したら3台とも下りてこないようにする、
例のエレベーター制御と合わせて。
ちょっと考えてみただけでも数学と建築学と工学の知識が必要そうで
途方もないことのように思えた。