困った人

世の中に出て仕事をしていて、こういう人が一番困ったというのは
歯を全く磨かない人とかそんなことではなくて(もちろんそれも困るが)
自分の頭の中にだけあるファクトやルールが
何もせずとも共有されていて、周りの人はそれを知ってて当然、
という前提で物事を進める人。


なんでそんなふうに思えるのだろう?
なんで周りの人のことを推し量れないのだろう?
と不思議に思うが、いつどこにいても少なからず存在した。
あなたの周りにもいるでしょう?
そんなん知らんがな! と思わず突っ込みたくなるような人。


あれってどうしてなんだろうなあ。
小さい頃とか大人になるまでとか、
誰のどういう影響があって、あるいはなくて、こうなるのか。


大学生まで、僕は世の中にこういう人がいるのだということを知らなかった。
会社に入ってプロジェクトが一緒になるとかお客さんとかで
打ち合わせの場で、何が何だかよくわからない人がたまにいて。
えてしてそういう人はわがままに物事を進めて、聞く耳を持たない。
そんなときは優しい誰かが、そっと聞き出してあげないといけない。


学生時代の間にそういう傾向を判断して正してあげることはできないものか。
今、社会に出る前に身につけてほしいスキルは断然それ。
考えてみると学校教育やそこでなされるテストというものは
出された質問に対して答える形式になっているから
既存の尺度じゃ計りようないんですね。
機会があるとしたら学級会やなんらかのグループワークぐらいか。
しかしたぶんそこでも見抜かれることはまれだろうし、
それをあるべき姿に導いてくれる人はもっとレア。


逆に生徒の側から的確な質問をして
議論を進めていくような授業がもっとあったほうがいい。
相手を組み伏せる、打ち負かすためのディベートではなく。
意見を展開して共有して発展させるためのスキルというか。
理想を言うなら、学習全般がそこに乗って行けるといい。
教師から学生へ、一方的に教科書を使って行うのではなく。
議論をして皆で理解していく。


こういうの大人になってからでは遅い。
どんどん聞く耳を持たなくなってくる。
これが俺の、私のやり方だから、というのが固まってしまって。
引き返してやり直すことはなかなか難しい。
なんかいい解決策はないかと考えるが、
こちらがやり過ごす以外に何も思い浮かばない。
それでもう何年と過ごしている。