定点観測

持論として、朝の通勤電車は毎日同じ時刻のものに乗った方がいい。
どの車両のどのドアというところまで決められたらなおいい。


この時間に出る、と決めてその間にできることをする。
「やらなきゃいけないことを全部やったら出る」
としたらいつまでたっても出られない。
ギリギリになって走ったり、間に合わなかったりする。
それ以前にいろんなことに悩まなくていい。


何がなんでも絶対、ではない。
今日はこれをやらないといけないから30分遅らせるというのはアリ。
だけどそれも30分なら30分と決めて、やはりそのときに出る。


判で押したサラリーマンの生活と思われるかもしれないが、
日常生活のどこかに定点観測のポイントがあったほうがいい。
一日が刻むリズムの基点というか。
変わるものと変わらないものをどう交差させるか。
そのことに自覚的かどうか。


毎日同じ時刻、同じ車両に乗ると見えてくるものもある。
その日の体調とでも言うか、何かがしっくり来たり、来なかったり。
位置や時間の感覚。
毎日それとなく顔を合わせる人たちの顔つきから
ささやかな季節の移り変わりを感じる。
それは毎朝の通勤経路にいっそう現れる。
日が長くなったとか短くなったとか、雲の形がどうだとか、
毎朝同じ時間に通るからこそその変化が心に響く。

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朝早く起きて朝早く電車に乗ってラッシュには会わない。
朝早くオフィスに着くと誰もいない。
そんな時間が30分ぐらいある。
PCに向かう。コーヒーを入れて飲む。
18階から東京を眺める。
遠く向こうまで東京が広がっている。