コンパクトシティ

「コンパクト・シティ」としての青森について話題になった。


都市は基本的に人口と共に住宅が増えてどんどん外側に広がっていくもの。
高度経済成長期ならばそれでもよかったが、
成長のスピードが緩やかになった今ならば
必ずしも生活が便利になるとは限らない。
新興住宅地に役所の分室や図書館や公園をつくるのはいいとして、
それを適切に維持できるかどうか。


その一方で車社会になると
郊外のロードサイトがどんどん発展していく。
ある程度の大きさを持つ店舗を構えるとなると、
そしてそれらの店舗が集まって集客力を高めるとなると
どうしても郊外の国道沿いにならざるをえない。
町はどんどん空洞化していく。


コンパクトシティは行政主導で町の核を取り戻すというか
住居、学校、職場、病院に始まって
商業施設や公共施設を中心部に集めることで効率化を図ろうとした。


青森市も再開発で空洞化著しかった
青森駅前に「アウガ」というビルを建て、
地下に市場、1階から4階までをショッピングフロア、
5階から上を男女共同参画プラザと図書館としていたのですが
今年に入って経営破たん、ショッピングフロアは撤退。


コンパクトシティの失敗例として青森市は語られるようになった。
なんでこんなことになったのかというと
市の施設を移転して商業施設を誘致することはできても
都市の大部分を占める住宅施設を移転することはできなかったから。
戸建て、アパート、団地。
いつ誰がどんなふうに実現するのか。
そのための予算をどうするのか。
そこのところが明確に語られないまま先走っても
都市が分断してしまうだけ。


青森市コンパクトシティだけが実現できればよいのではなく
一方で年間30億かかる除雪をどうするかなど
様々な問題を同時並行でなんとかしないといけないわけで。
町づくりや町おこしってほんと難しい。