Fania All Stars

来月のイベントのテーマが南米(というか中南米)なので
家のラテン関係のCDで iTunes に入ってないのをどんどん取り込んで
会社の行き帰りに聞いている。
この機会に、と何枚もたくさん買いこんでしまった。


それがなくてもこの時期、夏になって暑くなると聞くのが
Fania All Stars
サルサといえば、このグループ。
レゲエだと Bob Marley でタンゴだと Astor Piazzolla
というのと同じぐらいの位置づけ。


1960年代末、ニューヨークにできたサルサのレーベルが
「Fania Records」
その所属するミュージシャンたちの集まり。
シーンの重鎮ばかり。
Willie Colon, Eddie Palmieri, Tito Puente, Celia Cruz など。
それぞれがリーダーとして名盤を何枚も出している。
そんな彼らが大所帯でステージに立って迫力の演奏を繰り広げる。


残念ながらスタジオアルバムはなかなか再発されず、僕も持っていない。
「Fania Records」のコンピレーションで断片的に聞くだけ。
でもあんまりぱっとしない。
断然、ライブアルバムの方がいい。
どれもいい。まだ入手しやすい。
2枚組の「Live at Cheetah」が長らく名盤とされてきた。
僕もそう思う。


画質も音質もよくないが、例えば
Fania All Stars - Our Latin Thing (1972) Completo
https://www.youtube.com/watch?v=egbHXTLGT9s


パーカッションが乱打し、管楽器は天上に届かんばかりに。
単調なリズムを弾いていたはずのピアノがいつのまにか難解なソロを。
これ以上にファンキーでグルーヴィーな音楽が他にあるだろうか?
ただ賑やかで明るいだけではなく、
都会の片隅にこもる真夜中の熱気に満ちている。哀切がある。
サルサはただお洒落なだけの音楽ではない。
黒人たちの音楽、貧しき虐げられた者たちの音楽、
故郷から引き離され新しい大地に連れてこられた者たちの音楽として
ブルースと根っこは同じなのだと思う。