中南米の音楽 補足その2

開会式の翌日、テレビをつけたらオリンピックの開会式の後半が。
聖火ランナーが登場して点火したのちにステージに登場したのが
カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルのふたり
(プラス、若い女性シンガーだったけど思い出せず…)。
60年代から共演してて50年近くになります。
今年は『Two Friends, One Century of Music』というライブ盤も出ました。
軽やかにして、深く。タイトルに違わない名盤です。
ふたりともいい年の取りかたをしたな、と思いました。


ふたりの共演のアルバムというと
1968年の『Tropicalia』とその四半世紀後1993年の『Tropicalia 2』
どちらもMPB(Música Popular Brasileira)の名盤です。この曲は後者から。


Cinema Novo Caetano Veloso e Gilberto Gil
https://www.youtube.com/watch?v=CqC8teiUYkY


最近のふたりの共演から。
ギター2本だけで歌いますが、
始まってすぐにも会場中の合唱が。
レジェンドってこういうことなんだな。


Caetano Veloso, Gilberto Gil - Desde Que o Samba é Samba
https://www.youtube.com/watch?v=OJVPv41b73c

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西洋のロックの視点からブラジルの音楽を捉えるというのを最初考えていたのですが、
選曲しているうちにそれはまあいいんじゃないかと。
何人かキーマンを思い浮かべていたうちの1人が、アート・リンゼイ
1978年、ブライアン・イーノがプロデュースした
ニューヨーク・パンクのオムニバス『No New York』でデビュー。
このときは「DNA」というバンドでしたが、
チューニングしていない12弦ギターをコードを無視してかき鳴らすだけ。
たぶん本当に弾けなかったんだと思います。(そして今も弾けない)


ジョン・ルーリーやアントン・フィア、
当時のニューヨークのアンダーグラウンドの精鋭を集めて
フェイク・ジャズと嘘ぶいたラウンジ・リザーズ。
その一枚目のアルバム冒頭の曲。
こんなギターソロ、後にも先にもありません。


Incident on south street - The Lounge Lizards
https://www.youtube.com/watch?v=LQkVL-eTY0k


それが後に、90年代以後、
MPB(Música Popular Brasileira)の女王マリーザ・モンチなど
幾多のブラジル系アーティストのプロデュースをするようになるとは。
不思議なものです。
10代までをブラジルで過ごしていたんですよね。
80年代末、カエターノ・ヴェローゾアメリカを訪れたときに
通訳を頼まれたのがきっかけに意気投合して、
その後あれよあれよというまに。
2曲続けて聞くと同一人物とは到底思えません。


Marisa Monte - Amor I Love You (Áudio) - 1280X720 HD
https://www.youtube.com/watch?v=nLSgTRb_gqk


80年代末から90年代初めにかけて率いていたのが、アンビシャス・ラバーズ。
エレクトロニクス、ダンス、ブラジル、ノイズギター。
これが当時世界最先端の音でした。ライヴの映像で


Ambitious Lovers - Copy Me
https://www.youtube.com/watch?v=SLAmKzL3XJw


90年代に来日した時、渋谷クアトロに観に行ったのですが、
実はとてもギターがうまかったです。
コードに興味がなく覚える気がないというだけで
どの弦から何の音が出るか皮膚感覚で知りつくしているかのような。