中南米の音楽 補足その3

いよいよ明日です。
ありがたいもので、今回は早々と満員御礼となりました。
DJ機材を購入して夜な夜な練習しています。
曲をつなぐというだけでも案外奥が深いものです。
きれいに決まると想像以上に気持ちがいい!

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引き続き。
やっぱこの人も外せないな、と思うのは元トーキング・ヘッズデヴィッド・バーン
トーキング・ヘッズというと1981年の一代傑作『Remain In Light』や
ラストアルバム『Naked』でアフリカ寄りなイメージがありますが、
ソロになってから立ち上げた「LUAKA BOP」というレーベルで
ブラジル音楽のオムニバスのシリーズを3枚自分で選曲したり、
最近はカエターノ・ヴェローゾとの共演ライヴ盤を出したりと
どっちかというと南米の方に軸足を置いています。
個人的にはベネズエラから右も左もわからずにニューヨークに出てきた
Los Amigos Invisibles を発掘したのが嬉しいところ。


トーキング・ヘッズと言えば、『Remain in Light』冒頭のこの曲。
1980年代の初め。ロックとワールドミュージックの邂逅というとき、
これ以上の曲が出てくることはもはやないと思います。
当時のキャッチコピーは「原始と原子の火花散る出会い」
お互いが手探りだからこそ、なせるわざでした。


Talking Heads - Born Under Punches (The Heat Goes On)
https://www.youtube.com/watch?v=Y8xdsZhfrcA


トーキングヘッズでもう一曲。
『Remain in Light』以外でもう一枚聞くべきは、と聞かれたら
僕はラストアルバムの『Naked』と答えます。
ワールドミュージックを消化/昇華しきったポップソング。
「(Nothing But)Flowers」は美しい曲ですが、
アフリカの「ハイライフ」のようでもあり、
南米の路地裏の歌のようでもあり。
普遍的な「ワールド」ミュージック。


Talking Heads - Nothing But Flowers (HQ)
https://www.youtube.com/watch?v=068AFYvd58E


多国籍を通りこして無国籍になったワールドミュージックと言えば、
『Remain in Light』の頃にブライアン・イーノと製作した
『My Life in the Bush of Ghosts』
ナイジェリアの作家エイモス・チュツオーラの作品から取られたタイトルです。
Canのホルガ―・シューカイのように
ラジオ局から無作為に抽出したエキゾチックな歌を取り込んで楽曲にしてしまうという。
サンプリング文化の走り。
知性が服を着て歩いてるような音楽ってこんな感じ。

America Is Waiting - Byrne/Eno
https://www.youtube.com/watch?v=14wjWWHiOX4

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女子バレーの対ブラジル戦を見ていると、
ブラジルの監督がギターを持たせたらそのままサンバを歌い始めそうで。


アート・リンゼイデヴィッド・バーンよりも前の世代で
ワールドミュージックというか
当時の言い方だと「第三世界の音楽」を取り入れて歌ったグループというと
サイモン&ガーファンクルを思い出します。
フォルクローレの「コンドルは飛んでいく」は
小学校の音楽の教科書にも載っていてリコーダーで演奏した覚えが。


Simon & Garfunkel - El Condor Pasa (If I Could) (Audio)
https://www.youtube.com/watch?v=i6d3yVq1Xtw


ソロになってからのポール・サイモンアパルトヘイトの続く南アフリカに渡って
『グレイスランド』というアルバムを作りますが、
これがかなりバッシングされることになります。植民地主義的だと。
でもポール・サイモンに政治的な意図はなく、純粋というか無邪気な歌職人であって、
ただ単に気に入った音楽の形式があって
それを演奏するミュージシャンと共演したかっただけだと思うんですよね。


ラテン音楽とどこか接点ありそうな曲を。
「僕とフリオと校庭で」
日本でも僕より上の世代の人には有名でしょうか。
山崎まさよしはもじって「僕と不良と校庭で」という歌を書いてました。
(それで言ったら「恋人と別れる50の方法」をフリッパーズ・ギター
「バスルームで髪を切る50の方法」としていました)


Paul Simon - Me and Julio Down by the Schoolyard
https://www.youtube.com/watch?v=Z6VrKro8djw


今回、正直フォルクローレ(いわゆるアンデス民族音楽)は掘り下げられず。
昔よりは減りましたが、今も都内の駅前でアンデスの方たちが演奏しているのを見かけます。
向こうの若い人たちにとってどういう位置づけなのだろうと気になりますが、
たぶん観光客向けの古典芸能なんだろうなと思います。


チリのMC:アナ・ティジュの2014年のアルバム『Vengo』を聞き直してみたら
冒頭の曲でさらっと現代的なフォルクローレを。
アナ・ティジュは南米音楽について語るうえで
最重要のキーパーソンの一人であるため、当日取り上げることになります。


Ana Tijoux - Vengo (Single)
https://www.youtube.com/watch?v=BN4k3mnJteo


こちらが重要な記事。
「ラテン・ヒップホップの逆襲 ──チリの女性MC、アナ・ティジュ、インタヴュー」
http://www.ele-king.net/interviews/003664/