中南米の音楽 補足その4

イベント、いよいよ今日です。
会場の「温室」にはクラフトビールも届いているようです。

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ブラジル音楽というと絶対外せないのがカルトーラ
サンバの生き証人というか。
1920年代末より地元のサンバチームのために作曲を始め、
広く歌われるようになりますが、それで食べていけるわけではなく
左官であるとか洗車であるとか職業を転々とします。
夫人と開いたレストランで歌っていたのが人気となり、
1974年ようやく最初のレコードを出したのが66歳のとき。
亡くなったのは1980年なので
作曲した数と比較して発表したアルバムは4枚と少ないです。
しかし今やサンバの歌い手というと皆、カルトーラの名前を第一に挙げます。
(サンバ界のマディ・ウォーターズと称する人もいるけど、それってどうよ)


Cartola - 01 - Verde Que Te Quero Rosa
https://www.youtube.com/watch?v=RB28V2M0eeM


もう一人、サンバの中興の祖として国民的な人気を誇るのが、
パウリーニョ・ダ・ビオラ
この曲はもっとも若い時の録音。瑞々しいですね。
この辺り、今回の選曲ラインナップからすると浮いてしまったのでした。


Paulinho da Viola e Elton Medeiros Arvoredo
https://www.youtube.com/watch?v=DvqCatY_oWA

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僕が初めて「あ、いいな」と思って
ブラジル音楽というものを意識するようになったのは
テリー・ギリアム監督の『未来世紀ブラジル』で流れていた
「Brazil」という曲だったりします。
音の洪水に度肝を抜かれました。
この映画、タイトルは「ブラジル」なのに近未来という設定だからか
ブラジルらしい風景は皆無。
なのに最後だけド迫力の本気なサンバ。なんかちょっと怖い。
余計心に残りました。


Michael Kamen - Bachianos Brazil Samba
https://www.youtube.com/watch?v=TzJpmxzoQjI


正確なタイトルは「Aquarela Do Brasil」(ブラジルの水彩画)。
アリ・バホーゾが1939年に作曲、1942年にディズニー映画で使われて有名になりました。
以来カバーは数知れず。ブラジル第二の国歌とまで言われているそうです。


いくつか聞いた中ではこれがかなり映画のイメージに近いです。


B R A Z I L
https://www.youtube.com/watch?v=TLAO5Z6T-rg


様々なテンポ、様々な編曲で歌われているためパッと聞いただけだとわからないものも多く。
ボサノバの法王ジョアン・ジルベルトが演奏しているのがあったのですが、
もはやここまで来るとコード進行が同じの、全然別の曲のようです。


Aquarela do Brasil
https://www.youtube.com/watch?v=NKiPPo2z5Kg

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今回南米音楽がテーマということで新しく買ったCDも何枚かあります。
あれこれ調べ直す中で出会った名盤もありました。
それまで知らなかった人の中で、これは! と思ったのはホジーニャ・ジ・ヴァレンサ。
巨匠バーデン・パウエルに師事した女性のギタリストです。
若い頃はセルジオ・メンデスのグループでも活動していました。
美しく繊細な演奏の間から南米の神秘的な雰囲気がほのかに聞こえてきます。
時間の関係で今回はイベントの場では紹介せず、当日配布するCD-Rの中に入れました。


この曲はアコーディオン奏者シヴーカと共演した1977年のライヴアルバムから。
僕が聞いてきた中ではブラジルで最もかっこいいロックの曲はこれです。


Sivuca e Rosinha de Valença - Asa Branca (Ao Vivo)
https://www.youtube.com/watch?v=20UiUNLJzJo


ブラジルのロックバンドがたくさんいるはずですが、日本ではなかなか紹介されず。
有名なところではセパルトゥラやCSSなど。
このレニーニ&スザーノは90年代の来日公演があまりにもアツくて伝説になっているのだとか。
ギターとパーカッション、あとは曲とパッション。
魚眼』というアルバムを1枚出しています。


Lenine e Marco Suzano - Escrúpulo - Heineken
https://www.youtube.com/watch?v=zGV9vot-P4c