入院 19日目・退院 1日目

5時半起き。ようやく体重が70kgを切った。
体温・血圧共に問題なし。
採血を3本。これで退院できるかどうかが決まる。
中上健次『異族』の続き。
500ページぐらいまで来てようやく動きが出てきた。
朝、ミートボール、ごはん、麩の味噌汁、サラダ、オレンジ、ヨーグルト。
みかんも最後のひとつを。


9時過ぎ、採血の結果が出て退院が決まる。
いつにしますか? と聞かれて今日と答える。
検査の詳細をプリントアウトしたものをもらう。
前回高かった肝臓の「AST」が正常値に戻っている。
白血球も正常の範囲となった。血小板は依然として高いが…
血栓の有無を示すDダイマーはむしろ上がっていた。
他いくつか正常よりも高いものがあった。


11時、請求書が届いて外来の入退院窓口で精算。
その後書類窓口で入院証明書の依頼を行う。
保険会社の2通は問題なかったが、
会社提出用の、フォーマットが特になくて病院の書式で1通の方は
口頭でもいいので主治医の許可がいるのだという。
うーん、昨年もそうだったか。そう言われるとそうだったような。
いやー、さっき会ったばっかりで次にお会いするの来週なんですよね…
と話すと、入院していた病棟に相談してくださいと言われ、
その場で電話をかけることになる。
一度戻ってきてくださいということになってナースステーションに向かうと
今から先生に書いてもらって追加で精算という形にすると。
まあよくあることなんでしょうね。
それがすぐ届いた。
合わせて次回の外来の予約と療養計画書が届く。
食事の制限はなく(アルコールはいいのだろうか?)、
入浴は長くなければOK、スポーツは無理のない程度にとのことだった。


昼ご飯まで頼んでおいた。
サバの竜田揚げ。茄子と豚肉の味噌炒め。ほうれん草のおひたし。のっぺい汁。
退院後に飲む血液をサラサラにする薬10日分の処方が届く。
追加分の請求書が届くのを待つ。
手持無沙汰になる。Rockin'on JAPAN の読みたい記事もだいたい読んだ。
Green Day とか、Prophets of Rage とか。


13時半、残りの手続き。
終わって病室に戻ってきて忘れ物がないか確認してもらう。
最後、左手首に巻いていたIDのタグを切る。
これで退院は終わり。
その日担当の看護婦の方にエレベーターまで送ってもらう。


大江戸線は光が丘まで座っていくことができた。
タクシーで帰ったら? と言われていたが、
疲れていなかったのでそのまま歩いてきた。


15時過ぎ、家に到着する。
我が家に戻ってきてホッとする。
一方で寂しくも思う。
この3週間、大勢の方に囲まれていた。
「具合悪いところないですか?」「血圧測っていいですか?」
そんなお決まりのやりとりであっても、いろんな人と話すのはいいことであって。
お決まりの文句であってもそれぞれ表情が違うし。
何回も担当してもらって少しは世間話を交わした看護婦の方や
熱心に病状を説明してくれた若い研修医の方など何人かの方を思い出す。
忙しくて挨拶どころではなかった。
一期一会、二度と会うことはないだろう。
しかし皆さんそれぞれによくしてもらった。


着ることのなかった着替えや携帯用のボディソープなどを片付ける。
昨晩使ったタオルを洗濯機に入れる。入院中に読んだ本を棚に押し込む。
洗濯物を取り込む。
夜は刺身を買ってきてご飯を炊き、味噌汁を作る予定。
大阪出張だった妻が551の焼売を買ってきてくれる。
お風呂を沸かして入ろうと思う。