『フラカンの日本武道館』

昨日、遅ればせながら
フラカン日本武道館 〜生きててよかった、そんな夜はココだ!〜』を観た。
あのフラワーカンパニーズが、まさかの武道館公演。
メンバーも最初言っていたが、ガラガラだったらどうしようと。
それがフタを開けたら当日券も含めて完売、満席。
気づいたときには出遅れてて、僕は行けなかった。残念だった。


愛知県出身。かっこ悪い自分をブチ切れながら歌うというか。
だけど自嘲的でも厭世的でもなく、
年を重ねるうちにファンの背中を優しくそっと押せるようになった。
等身大の歌を歌い続け、はげまし元気づける曲も板についてきた。


いい曲を書くんだけど、ファンの人気は根強いんだけど、今一つブレイクしない。
売上に結び付けない。
90年代半ばにメジャーデビューをして、21世紀に入ったか入らない頃首を切られ、インディーズへ。


僕は1996年の『恋をしましょう』から聞き始めて、このミニアルバムの4曲が大好きだった。
こんがらがったみじめな自分を素直にぶつけてくる。その姿は愛らしくすらあった。
その前のアルバム、『フラカンのマイブルーヘブン』もよく聞いた。
「虹色の雲」や「夢の列車」「孤高の英雄」を繰り返し再生した。
その後順調にアルバムを発表していったが、徐々にトーンダウン。
僕が初めて生で見たのはインディーズに戻った頃で、
どれかのアルバムの発売記念で渋谷タワレコ地下のステージでインストアライブ。
この頃はあれこれ迷っていたのか、ヴォーカルの鈴木けいすけは
「最近長渕剛をよく聞いている。とてもいい」と歌ってみせた。


その後、地道にライブハウスを回っているうちに名曲「深夜高速」が生まれ、人気に再度火が付く。
2008年、二度目のメジャー進出を果たした。


全国に熱心なファンはいるけど、それほど売れているわけではない。
武道館でやっていいという売り上げの基準があるとしたら思いっきり下回っていると思う。
それが超満員。世の中捨てたもんじゃないな。
腐ろうとなんだろうと諦めずに続けるってほんと大事だ。


開演前は怒髪天による、応援団団長による応援歌みたいなのが流れていた。
「いざゆけ〜フラカン〜」「フレッフレッフラカン!」みたいな。
(これがとてもかっこよく、この機会に怒髪天を聞いてみようと思った)


途中、すっとぼけたMCが挟まりながら、本編は新旧の代表曲を織り交ぜながら進んでゆく。
アンコールは合計3回。
ベースのグレート前川がとてもいいことを言っていた。
「2年前に怒髪天が無理だといわれていた武道館公演を成功させた時、
 アンコールで次はフラカンの番だと言われた。とてもうれしかった。
 最近のライブでは武道館にフラカンを見に行こうと事あるごとに言ってくれていた。
 このバトンを次の人に渡していきたいと思う。
 個人的には50歳を過ぎて初めての武道館という人がかっこいいかな。
 コレクターズとか。ピーズとか」


心に沁みた。これだよなあ。だからこそのフラカンだ。
とてもいいものを見た。
時折映る客席の表情がとてもよかった。
僕も行きたかった。ピーズの武道館公演があったら、絶対行きたい。


フラカンは今年、47都道府県のライブハウスを回るツアーを続けている。