ツタに覆われた木

昨晩は本郷での聞き書き
以前、東大の敷地内の外れに立っている古い木が
ツタでもじゃもじゃと覆われていて尋常じゃないという話を聞いていた。
それが遂にツタが切り払われたという。
根津で飲んだ帰りに案内してもらった。


職員宿舎なのか今にも倒れそうなおんぼろアパートが建っている。
いくつかは新聞受けにガムテープが貼られていた。
その裏に空き地があった。
金網で周囲を覆われ、草刈機できれいに雑草が整理された後だった。
恐らくここにも何かが建つのだろう。
その奥に一本の木が立っていた。


背は高く3m以上はあるが、枝だけになった木はひょろひょろとやせ細っていた。
まるで幽霊のようだった。
養分を吸われ、ツタに覆われて光合成もできない。
よく生きていたな、と感心させられた。
しかしここから息を吹き返して葉をつけるのかはよくわからない。


ツタの寄生する力にぞっとする。
ツタに覆われて本来の姿が見えなくなったものが世の中には多い。
その最たるものはお金というツタだ。
そういう話を聞く。


余談。
根津で入った店、隣のテーブルは
恐らく東大院生の博士課程女子の3人。
D1,D2, M1,M2 と盛んに出てくる。
研究室の状況以外に、Godiva は高級チョコなのか? といった話もしていた。
最後、精算となって伝票が渡された時の計算が瞬殺だった。もちろん端数まで。
すげー、さすが東大と思った。
でも、もしかしたら全然別の大学でただ単にこの辺に住んでいて、
ひとりが暗算同好会に所属しているだけかもしれなかった。
そろばんの達人とか。
そんなことを考えながら、帰った。