熊本城マラソン 後編

給水所は最初水とアクエリアスやあっても塩飴やドーナツ棒ぐらいだったのが
後半はチェリートマトにイチゴにくまモンクッキーにどんどん豪華になる。
疲れたランナーたちも群がる。
30km手前に味千ラーメンがスープと春雨だけのタイピーエンを配っていて、これが温かくて美味しい。
二箇所で二杯飲んでしまった。


その近くに高校の友人たちによるエイド隊のテント。
エアーサロンパスを腿にかけて
リクエストしていたチョコと渡していたアミノバイタルを受け取る。
かぶっていた帽子と手袋を託す。
この辺りに来る頃は日向に出るととても暑かった。
ランナーたちも半分ぐらい歩いていた。
何度か橋を渡って上り坂が最後まで続き、皆登る体力がない。
それもなんとか足を止めずに済んだ。
ほんとアミノバイタルってすげーわ。


でもそれ以上に力が出るのって家族なんだろうな。
「パパがんばって」と書かれた手書きのゼッケンであるとか。
35kmぐらい来た時だろうか。
アパートの窓やあれこれ使って「パ」「パ」「F」「I」「G」「H」「T」と。
これって恥ずかしいかもしれないけど、それ以上に嬉しいものであると思う。
僕も妻と折り返し地点を介して妻とすれ違った。
その時僕は気づかなかったが(エイドで受け取ったアミノバイタルをチューチューしていた)
妻の方が先に気づいてエールをくれた。


そんなこんなでなんとか38kmの最終関門を乗り切ってラストスパート。
声援が大きくなる。
最後は熊本城の二の丸へと向かう上り坂。
これだけ坂を登らされて、まだ続くか。
ドSなコースというか。オリンピックだってこんなことしないぞ。
そこも立ち止まらず、ひいひい言いながら無事完走。
目標は4時間台なんだけど、5時間をちょい超えた。
初のフルマラソンにしては上出来か。
12,000人近い出場者の中で大体半分の順位だった。
歩いている人をどんどん追い越したけど、早い人はもっと早いということか。


ゴールに多くの観客というかランナー家族や友人たちが待ち構えていた。
ゴールをくぐると完走賞のメダルやタオルをくれた。
ボランティアの子に写真を撮ってもらった。
缶コーラ、みかん、SOY JOY などもくれた。
完走証のブースに行くとその場でプリントアウトされた。
その先でおばちゃんたちが味噌汁を振舞っていた。体と心に沁みた。
今朝送ってくれた義父に最初に電話して、その後青森の母へ。
以前担当した教室の子がたまたま熊本出張に来ていて、ゴール近くから写真を撮ってくれていた。
預けていた荷物を受け取って、奥の方の芝生にランナーたちが座り込んでいるのを見ると僕もそうした。
足が痛くて座るのに一苦労、しかし一度足を延ばすと立ち上がれず。
30kmと42.195kmの違いを思い知った。
分厚いランニングシューズを履いていたので足の裏に豆や水ぶくれはできなかったものの、
足がもうコチコチ。
日差しも暖かく、ぼんやりと座っているだけで1時間が過ぎて行った。


エイド隊が合流したというので僕も出口付近へと向かう。
(ほとんど練習しなかった…)妻もその後完走していた。
夜は打ち上げ。城の近くに「城の湯」という温泉があってそこで風呂に入って宴会。
着替えていると同じようにマラソンを終えた人たちが多かった。
お湯の中で足を伸ばし、一息ついた。


出てきて休憩所で笑点を見る。
18時半より宴会。和室にテーブルと椅子というのが疲れた足に嬉しい。
豚しゃぶしゃぶだったんだけど皆いい年だったのでそんなに食べず。
結局僕が腹が痛くなるだけ食べて走って減らした体重よりも増えたかもしれない。


21時前。終わって義父に迎えに来てもらう。
酒を飲まずに待っていてくれた。
家に着いて中継の録画を見せてもらうとカメラの前にいたから
確かに何回も映っていた。
焼酎を飲む。いつのまにか眠ってしまっていて午前0時。
布団の中へ。階段を上るのが、布団の中で足を伸ばすのが辛かった。