「酒場放浪記」

このところ月曜夜は BS-TBS の「酒場放浪記」を、
水曜夜は同じく「おんな酒場放浪記」を見ている。
1本15分で、新作が1本、旧作が3本で計4本という構成になっている。
長さがちょうどよく、何とはなしに見るのにちょうどいい。
主に東京、神奈川、埼玉の居酒屋や焼き鳥屋を巡る。
自分のかつて入ったことのある店が出てくるということはこれまで一度もなく、
神保町や御茶ノ水などよく知っているはずの土地であっても
「え? こんなとこにこんな店が!?」と驚かされることが多い。
高円寺「抱瓶」 、荻窪「鳥もと」 、西荻窪「戎」、吉祥寺「いせや総本店」
といった中央線界隈の有名店はシリーズ最初の頃に既に訪問済みであった。


最近気付いたのは
吉田類の本家であれ、倉本康子を初めとするスピンオフであれ、
最初はカウンターに座ってあれこれ壁に貼ってあるので気になったものや
店の看板メニューを聞いてひとつかふたつ頼む。
それが届いて飲んでいると、隣に座っている人の食べているものが気になりだして
その人がよかったらどうぞと差し出す。
それがだいたいのところ、その店でツウが頼むものとなっている。


これって恐らく事前に仕込んであって、
その店が撮影されるとなるとプロデューサーが店に依頼して、
店が常連の中でも最も馴染みの常連に頼んでいたりするんじゃないか。
「○○さん、お願いしますよぉ」みたいな感じで。
なんかそういうのってうらやましい。
僕もいつかそこに座ってみたいが、残念なことに行きつけの店というものがない。
番組に取り上げられそうな店であれ、そんなことなさそうな店であれ。


そもそも常連同士で盛り上がってる店とか、
店員と常連が彼らにしか通じない話で笑ってるような店が苦手で。
というか多かれ少なかれどの店だってそれはあるだろうけど、その割合の高い店が苦手で。
入っていけない。人見知りの性格がこういうところに影を落とす。


自分で店をやるのがいいのか。
どこかに弟子入りして何年か修行して、立地のいい場所に店舗を借りて、
とか現実的なことを考えるとかなり気が遠くなるけど、
居心地のいい店をつくって夫婦で店に立って、
「酒場放浪記」登場を目指して10年ぐらいがんばってみる。
そんな人生もありか、なんてことをチラッと考えてみたりする。