根津「すみれ」

昨日「酒場放浪記」のことを書いた。
昨晩、本郷でいつものKさんとの聞き書き。終わって根津へ。
孤独のグルメ」に登場した店があるというので連れて行ってもらう。
「すみれ」という小さな居酒屋。カウンターで10席あるかないか。
お土産でもらうのか、全国各地の通行手形が煮しまった色で吊り下げられていた。
カウンターの上に魚のケース、その上に招き猫、
ゴローさんのプリントされた小さな看板の模型。


お通しはおでん。昨晩で終わりだったか。今日から変わると言っていたような。
「本日のおすすめ」に並んでいるのが多かったので
メニューはその時々の仕入れ次第なのだろう。
鶏煮込み、キンピラ、鯖の塩焼き、イカの刺身、しし唐とタコさんウィンナーの炒め、
茄子の生姜炒め、からしめんたいなどを頼んだ。
言うまでもなくどれもうまい。
しし唐とウィンナー、見てても確かにただ炒めているだけ。手際のよさで決まるのだろうか。
あるいは組み合わせの妙なのだろうか。


僕ら以外は皆常連さん。
カウンターが集合場所のように集まってくる。
会社帰りだったり、既に他で飲んでいたり。
皆、飲みながら普通に一台ついていたテレビを見ていた。
「ケンミンショー」をやっていて、そこにあれこれ言い合う。
常連ばかりでも居心地は悪くない。
会話を交わさなくてもその場に加わっているような気分になる。
いい店というのはそういうところがうまい。
ママの愛想もいい。
そういえば端に座っていた方は
ふらっとカウンターの中に入ってスマホを充電していた。


最後、「孤独のグルメ」でも取り上げられていたカレーを食べる。
ジャガイモは半分に切っただけ、人参も皮がついたまま。
ごろっとして確かにこれはうまい。ルーもどろっとしてコクがある。
メニューには極辛カレーとあったけど、そんなに辛くはなかった。
Kさんが糖質制限のことを話していたら
ママがそれをさっと聞きつけてご飯を半分、残っていた玄米にしてくれた。
そういう心配りがうれしい。
また来よう。


「酒場放浪記」のことを昨日調べていたら
根津で吉田類が訪れた店に「駅馬車」とあって。
なんだ、聞き書きのたびに毎晩前を通っていたけど、普通の店かと素通りだった。
俺の目は節穴だなー。次回はここか。