「えーくらいもん会 〜日本酒で熊本を応援しよう!〜」

午後、妻に誘われ
「えーくらいもん会 〜日本酒で熊本を応援しよう!〜」の2回目に参加。
一言で言うと、熊本の蔵元の試飲会。神保町「EDITORY」にて。
http://peatix.com/event/270457?lang=ja


熊本に10ある酒蔵のうち、6つが参加。
6本の酒が、小さなカップだけど頼めばいくらでも飲むことができた。
・「崇薫」瑞鷹株式会社
・「YAMA」山村酒造
・「七歩蛇」河津酒造
・「花の香」花の香酒造
・「萬坊」亀萬酒造
・「香露」熊本県酒造研究所


ウェルカムドリンクとして一通り飲んだ後で、本編へ。
瑞鷹と山村酒造の若い代表が前に出て酒蔵の説明をする。
話は震災のことになる。
瑞鷹は明治、大正時代からの蔵が全壊ないしは半壊。
まずは酒造りを優先させて、これらの建物をどうするかはこれからの課題。
かつての職人の技術が今に残されていない。悩ましい。
取り壊すという選択肢もあるが、全国の古い建物を保存する会のようなところから
取り壊ししないでほしいというお願いも来ると。
しかしその保存費用を誰かが持ってくれるわけでもない。
瑞鷹は料理用の赤酒もつくっている。
日本酒は震災の被害を受けて出荷できないとなっても皆、そうかそうかと優しかったが、
料理酒となると弁当・仕出し屋など大口の法人契約が多く、場合によっては契約不履行になってしまうと。
シビアな局面が多かったようだ。


山村酒造は建物そのものは無事だったが、南阿蘇に位置していて地震から一週間停電。
機械による温度管理ができなくなってもろみがダメになり数万本規模で廃棄、
ポンプでくみ上げる地下水も止まってしまった。
その廃棄する酒も復興と称すれば売れるという話も出たが、売るに値する品質ではないと断ったという。
酒造りが再開しても橋や道路が崩壊して配送ルートが確保できず。
冬、雪が降って通行止めになって万事休すとなるところでトンネルが復旧して九死に一生を得た。


そういう話がどの酒蔵にもあったのだろう。
興味深かったのは、その多くが明治・大正の創業でだいたい100年の歴史を持つ。
当時は石炭を燃やしていたためどこも高い煙突を建て、それが遠くからも見えるランドマークとなっていた。
今は石炭ではないため小さな煙突に替わっても、どこもそのまま酒蔵のシンボルとして残していた。
それが震災で崩れてしまうが、当時の技術が残されていないし、
そもそもレンガ自体がなくて規格も違って、新たにイチから作らないといけない。
そんなお金はない。なのにやはり全国から保存してくれという要望が寄せられてしまう。
問題がややこしく、難しい。


小さな会場で、参加者は30人ぐらいか。
こじんまりとしていたけどその分酒蔵の方たちそれぞれに話を聞くことができた。
瑞鷹の方は熊本城マラソンでも沿道で応援していたと。
どの酒もおいしく、辛子蓮根や高菜漬けといったつまみもちょうどいい。
居心地のよい時間を過ごすことができた。
神保町にできた「魚金」でもう少し飲んで帰ってきた。