「TERRAIN VAGUE vol.76 カーニバル漂流2」

今日は神保町「温室」で TERRAIN VAGUE vol.76
白根全さんによる「カーニバル漂流」の2回目。
http://onshitsu.com/2017/06/22-020121.php


前回、1回でリオのカーニバルと南米各国のカーニバルを写真で紹介するつもりが
後者だけで時間が来てしまい、2回目へ。
その間、西アフリカのカーニバルを見に行ったということでその報告も。


リオのカーニバルはとにかく規模が大きい。
専用のまっすぐな道路をパレードし、その左右には段々の観客席が設えられている。
一番のかぶりつきの席は何十万もして企業が買い占める。
完全なる巨大商業イベントであって、そこにカーニバルの伝統を見出すのは実は難しい。


近世ヨーロッパで謝肉祭として始まり、南米が制圧され、
奴隷貿易で連れてこられた黒人たちの間に爆発的に広がっていくうちに
その土地土地の土着的なものと絡み合っていく。
その一日は日常の全ての価値観がひっくり返る。
奴隷たちから一時的な王が選ばれ、好き勝手に振舞うことができる。
いつもとは違う仮装に身を包み、
普段は禁じられた音楽を爆発させて果てしない踊りの中で夜が更けていく。


そういう意味では、ブラジル北東部の港町、
サルヴァドーレのカーニバルは街中に人が溢れ、
巨大なサウンドシステムがその中心にある。
こちらの方がよほどカーニバルの本質に近い。


アフリカでカーニバルが行われるのは
ギニアビサウアンゴラモザンビークなど5か国でどれも旧ポルトガルの植民地。
奴隷貿易という人類最大の犯罪。その犠牲者である奴隷たちの故郷。
30年かけて南米のカーニバルを行き尽した白根さんは
遂にそのアフリカのカーニバルへ。
聞いている僕らにも感慨深いものがあった。