REBECCA '2017

昨晩、なんとはなしにテレビをつけたら『情熱大陸』が REBECCA だった。
思わず見てしまう。2年前に再結成して、今年ツアーだと。


NOKKO は音楽プロデューサーと結婚して
娘が生まれたことをきっかけに海辺に住みたいと熱海に引っ越したのだという。
キーボードの土橋さんもドラムの小田原さんも
まあこんなふうな年の取りかたをするよな、と想像通りの
おしゃれでマニアックな50代となっていた。
サポートのギター、是永さんも一緒に演奏していた。


スタジオに入って彼らはリハーサルをしている。
NOKKO は「Maybe Tomorrow」を歌っていた。
どうアレンジするか、意見を出し合う。
ベースの高橋さんは会話に加わらず、モクモクと練習していた。
ふーん、そうなんだと思いながら見ていた。
Pink Floyd のTシャツを着ていたように思う。
「One More Kiss」のクリップでも一人、全てに背を向けてベースを弾いていたな。


その後の話に驚く。
母の介護のために音楽業界を離れ、今は運送会社に働くサラリーマン、
数年前までトラックを運転していたという。
NOKKO の家でミーティング、地下のスタジオで土橋さんの作ってきた新曲を聞く
というときも仕事があったから一人だけ来ることができなかった。


かつて REBECCA のメンバー、というだけでは暮らしていけないのは当然のこととして
まさかトラックの運転手だったとは。
他のメンバーがどうこうすることではないとはいえ、果たしてそれでよかったのかと。
いや、解散してそれぞれの道を歩むとはそういうことか。


仕事を終えて帰ってくる。結婚していないのだろう。
男の一人暮らし感漂う雑然とした部屋。
猫だけが待っている。
本棚には Led Zeppelin のアルバムが飾られていた。
1枚目と数年前の再結成のライヴと。
そしてなぜかミクロ経済学の入門書。
本棚にはその人の人生の来し方行く末が現れるというのを改めて思った。
インタビューとなって話す。
ずっとメンバーのことを忘れずにいた、一日一度は皆どうしてるのかなと考えたと。
今回の再結成で一番うれしかったのは彼ではないか。


チケットが当たって、僕も武道館の最終日を見に行く。
この『情熱大陸』を見てしまうと、高橋さんから目が離せない。
応援したいと思う。