エンゼルピラフと飛騨高山ラーメン

子どもの頃に外で食べておいしかったものの記憶がいくつかある。
デパートの上の階のレストランとかそうですね。
滅多に食べられなかったけどいつもそこにあって、
行ったらいつもそれを頼むというお気に入りのメニューがある。
もちろん今、その店はない。もう一度食べたいと思ってもかなわない。


青森駅前、新町の商店街に僕らが小さかった頃は「カネ長」というデパートがあった。
今もまだあるが、その後「ダックシティ」「VIVRE」「さくら野」と変遷している割には
つくりは一緒なので、一階の婦人服売り場であるとか、行くといつも懐かしい気持ちになる。


上の階に確か森永のレストランがあった。その後「CASA」というレストランに変わった。
たぶんこの順番だったと思う。
そのどちらか、恐らく森永の方に「エンゼルピラフ」というメニューがあって、
ピラフの上にカニクリームコロッケ、ハンバーグ、エビフライが乗っていた。
男の子はそういうの好きですよね。
お子様ランチは卒業しても、おいしいものがあれこれ乗ったのが食べたいのは相変わらずで。
2・3ヶ月に一度ぐらい買い物の後でご飯を食べて帰ろうということがあって、
そんなときは必ずここでこれ。
80年代の青森に住んでいるとカニクリームコロッケなんてやたらハイカラに感じられたものだった。


地下の食料品売り場の店も忘れられない。
奥の方にはたこ焼き、お好み焼きの店があってここで初めてお好み焼きを食べた。
そこから離れた、エスカレーターの近くにパン屋、蕎麦屋、ラーメン屋が並んでいた。
このラーメン屋も好きで何度か食べた。
飛騨高山ラーメンの店だった。「いとぐるま」という名前だったか。いや、違うか。
あっさり塩味なんだけど、焦がしネギの油がほどよく入っていておいしかった。
青森市で飛騨高山というぐらいだからチェーン店だろうな。でも他で見たことがない。
何年か前に錦糸町で「飛騨の高山ラーメン」を見かけたけど
思い描いていたのとはちょっと違う感じで入らなかった。
今調べたら閉店していた。それでもまだ都内には何店舗か残っているようだ。


飛騨高山のラーメンを簡単に Wiki で調べてみると塩ラーメンではなく醤油ラーメンだった。
じゃあ僕が食べていたのはなんだったのだろう。
見てないので知らなかったけど、
君の名は。』の中で主人公が食べていたことから脚光を浴びたのだとか。


何の変哲もない店の何の変哲もない味が案外、記憶にしっかりと残っているものであって。
高校の同窓会のときに誰か覚えてないか聞いてみようかと思う。
こういう物事の記録は、今となっては全く残っていない。
なのでブログに書いて残しておこうと思った。