以前、「今はなき名店たち」というタイトルでいくつかの店を取り上げた。
先日神保町を歩いていたら「BECO SHNIN」が閉店して、別の店舗へと工事中だった。
その後思い出した店もあるので、引き続き書いてみたいと思う。
「BECO SHNIN」(神保町/牛タン)
おしゃれな店で入るまで牛タンの店とは気付かず。
昼の牛タンステーキ丼はどちらかというと牛タンシチュー丼に近かったような覚えが。
夜もこの手の店にしては割とリーズナブルに飲めて、
馬刺しにアヒージョなど牛タンにこだわらずいろいろとメニューがあった。
席のサイズ感が女性向きで、僕ら男性にとっては狭かった覚えが。意外とそこが敗因?
「アミ」(神保町/洋食)
明大の裏。焼肉ライスが名物メニューで学生たち、サラリーマンたちで昼は賑わっていた。
年配の方たちがちらほらといたけど、懐かしがってくる明大OBなのだろうか。
看板には「パブレストラン」とあるけど喫茶店のような独特な雰囲気の店。
この界隈に最後まで残った昭和とでも呼ぶべきか。
年配のオーナーが確かシャンソンの歌手で、どこか陰りのある文化的な香りも漂っていた。
「麻雀つかさ」(神保町/カレー)
雀荘で昼限定でカレーを出していた。400円と安い割には家庭的でなかなかおいしかった。
雑居ビルの地下。地上に看板が出ていて、「女性の方もお気軽にどうぞ」とあったけど
これはなかなかは入れんよなあ。奥の方では普通に年配の方たちが麻雀を打っていた。
あるとき看板を目にしなくなって、雀荘自体閉店したんじゃないかと思う。
隠れた名店。こういう店こそ「神田カレーグランプリ」に出てほしかった。
「大沢食堂」(千石/カレー)
かつて日本一辛いカレーを出すとされた店。
いくつか段階があって、普通のだと極一般的な大衆食堂のカレー。
それが「極辛」になると真っ赤なペンキのように。
店主は自分からは極辛を味見することはなかったと。
かつてキックボクシングの日本チャンピオンだったという。等身大の写真が飾ってあった。
「すずらんラーメン」(国立/ラーメン)
旭通りにあった何の変哲もないラーメン屋。まずくもないけど取り立てておいしいわけでもない。
昼は一橋大学の学生たちがそれなりに入っていた。こういう店、町にひとつは必要ですね。
卒業後、ふらっと国立に出かけて「すずらんラーメン」の看板を見かると懐かしい気持ちになった。
壁には「すずらんニュース」がずっと貼ってあって、プラス50円で定食になると。
その色褪せた紙のことをなぜか時々思い出す。