遅ればせながら渋さ知らズの新譜『渋樹』を聴いた。
このように書いて『JUJU』と読むようだ。
伝説の2001年 FUJI ROCK で度肝を抜かれて以来、
年に5回も6回も見た年もあったけど、最近はとんとご無沙汰だった。
アルバムとしては2010年の『渋夜旅』以来となるのか。
今回の趣向はなんと、クラシックのカバー。
ベルリオーズの「幻想交響曲」とサティの「ジムノペディ第一番」に
ドボルザークの「家路」+ルイ・アームストロングで有名な「What A Wonderful World」を繋げる。
メンバーを見ると北陽一郎、川口義之、片山弘明、鬼頭哲、石渡明廣、
斉藤”社長”良一、関根真理、山本直樹、渡部真一とおなじみの顔もあるけど、
半分以上入れ替わってしまった。知らない名前ばかり。世代交代が進んでるんだな。
そこに不安を感じつつも、CDをトレイに乗せてみたらこれが案外いい。
最初の曲こそイントロがクラシックでその後ジャズに流れていくけど、
そこから先は超ド級のロック。
渋さは King Crimson に例えられることがあるけど、これが一番近いんじゃないか。
カオスというか、ドシャメシャなフリージャズをやってるのに
アトサキ考えないというのではなく、ガンガン前に向かっていく。
カギを握ってるのはベースかな。
単純なフレーズを反復していく中に覚醒がある。
クラシックをやるとロックになってしまうというのが渋さ知らズっぽい。
なんか思い出すのはマイルス・デイヴィスが『Jack Johnson』を録音した時、
世界一かっこいいロックバンドをやってやると言ってたのに
どこをどう聞いてもロックのイディオムを利用したジャズのままだったという。
その逆のパターン。
お互い、そういうズレ方。
今回クラシックのカバーということは
次、3年後ぐらいにジャズのカバーにまで進んでしまうんじゃないか。
一周回ってそこ。
「Autumn Leaves」とか「Waltz For Debby」とか「Bitches Brew」とかそういうの。
どう料理する? という意味ではかなり聴いてみたい。
しかも30人とかじゃなくて、7・8人の編成で。
もちろん、アンプラグドで。