「モーリス・ベジャール・バレエ団 2017年日本公演」

終日外出。
9時に起きてクリーニング屋。戻ってきて、大江戸線に乗って飯田橋
快晴。お茶の水まで歩いていく。線路脇の散歩道を初めて歩いた。
お茶の水の DiskUnion を覗いた後、神保町へ。
この前混んでいて入れなかった「AVOCAFE」でアボカドスパム丼。
開店直後にほぼ満席。


三田線に乗って御成門芝公園まで一駅歩く。
編集学校で知り合った方の「新渡来人プロジェクト」
今回は2回目でタイトルは「複眼」
上海で起業された方たちを中心に何人かのお話を聞く。
普段仕事全で接しているのとは全然違うタイプの人たち。
日本と中国の関係は大きく変わっているのに
そのことに目を向けない、向ける機会のない日本人は多い。
今や中国人がうちの製品を「Made in Japan」ブランドで作って、
と頼んでくるのだという。
このところ仕事でキュウキュウとしていたのが、
実は小さいことだったんだなあと気づかされた。


講演は途中まで、夜の部もあったようだけど
16時半に会場を出て上野の東京文化会館へ。
モーリス・ベジャール・バレエ団」の日本公演を見る。
招待券のチケットが当たった。
本当は妻と見に行くはずが、編集学校のはずせない用事が。
facebook で募ってみたところ
かつてバレエを教えていた友人がピンチヒッターで来てくれることになった。
ロビーで待ち合わせて、観客席へ。
3階のB席。横から見下ろす形になったけど、結構近かった。
1階はほぼ満席、4階・5階席は割りと空いていた。
モーリス・ベジャールが亡くなって、ジル・ロマンが引き継いで10年近く。
今、人気はどうなんだろう。熱心なファンは減ってきているのかな。
演目は4つ。


「ピアフ」
舞台にはエディット・ピアフの写真がいくつか。
女性ダンサーは登場せず、男性ダンサーばかり。
そこに暗示されるもの。それが彼女の人生を形作ったということか。
単に踊り手と振り付けがあるというのではなく、
それを超えた表現へと向かっているというのがよくわかる。


「兄弟」
ボルヘスの短編に触発されて、
ジル・ロマンの日本での経験が元になって出来上がったという。
男女3人ずつのダンサーのうち、日本人男性のダンサーが2人。
途中から三味線が聞こえた。
恥ずかしながら前半の大半を寝てしまった。


「アニマ・ブルース」
ユングオードリー・ヘップバーンに捧げる作品。
駅の待合室のような繋がった椅子が壁際に配置され、後半でダンサーたちがそれを片付ける。
ピナ・バウシュっぽいなと思った。
音楽がいい。ギターによるブルース。切り裂くようでいて、どこか心もとない音になる。
ビル・フリーゼルが一番近いか。
しかし、なんでこういう音楽ってアルバムとして発売してくれないんでしょね。
また聞き直してみたいんだけど。もったいない。


ボレロ
映画『愛と哀しみのボレロ』でもハイライトの場面で踊られて、ベジャールの代表作の一つとなった。
舞台中央には楕円形のテーブル。
その上で「メロディ」役のダンサーが一人ささやかに腕を動かし始める。
コの字型に椅子が取り囲んでいて、「リズム」役のダンサーたちがうなだれて取り囲んでいる。
ボレロの繰り返されるリズム。楽器が加わり、音も少しずつ大きくなっていく。
それとともに「メロディ」役のダンサーの身のこなしもまた大きくなっていく。
「リズム」役のダンサーが一人一人立ち上がり、テーブルの周りで踊り始める。
群舞となり、同じ動作でリズムを表現する。この躍動感。
ボレロという曲の魔術的、麻薬的なヤバさを体現する。
リアルで見ることができてよかった。
ダンサーの半分は日本人で、東京バレエ団か。身体付きが圧倒的に違った。
ダンサーたちは上半身裸だったんだけど、身体測定に並んでいるように見えた。


終わってカーテンコールが何度も続く。
上野駅前に出て軽く飲んで帰ってきた。
正統派のバレエも見てみるといいですよ、と。
アンサンブルの一糸乱れぬ美しさは日本人の方が秀でているけど、
肉体の存在感や表現力ならば海外の方が圧倒的。
なるほど、そういうものか。
ボレロもやはり肉体的なすごさだった。