みみたと遊ぶ

帰ってきて、22時。
鍋をつつきながら岩合さんの世界猫歩きを見る。
いつもならダウンタウンのはしご酒なのが、この年末年始の1ヶ月は休みらしい。
ようやく1時間、たっぷり猫三昧。
京都の田舎の藁ぶき屋根に暮らす猫。尻尾がゆらゆらピンピンとして貫禄がある。


鍋ができる前、みみたのボールに綿を詰め直して針を差し、縫う。
このところ綿を出しては僕が詰めていたのが、
昨晩遂に全部出し切ってぺしゃんこに。
これまで何度縫ってきただろう。このボールは三代目か四代目か。
島忠のペット売り場で売ってるどこにでもあるもの。


昨日は仕事でこの一年、最も辛かった。
八方塞がりの日々。
心が折れそうになった時に夜、絶望的な出来事が。
辞表を出す、いや、もうバックレたい。
とにもかくにもぼんやりしながら帰ってくる。


その夜、早々と布団に入ると
珍しくみみたが早くからモゾモゾと潜り込んできた。
足の間で丸くなった。
猫はわかっている。


明け方目を覚ますと僕の脇腹のところにいた。
二度寝。目覚ましが鳴るといつものようにカリカリをせがんだ。
僕をキッチンまで先導する。ああ、これでいいんだ。
難しいことは考えず、くよくよせず、気ままにいつものように過ごせばいい。
気がついたら今日一日なんとかなっていた。
みみたに学ぶことは多い。


食べ終えて、縫ったばかりのボールで遊ぶ。
みみたは楽しそうだ。
ああ、これでいいんだと思う。