The Cranberries

今朝のニュースを見ていたら
The Cranberries のボーカル、ドロレス・オリオーダンが急死したと。
まだ46歳という若さ。死因については記事の中で特に言及されていなかった。
現時点ではまだ不明なのだろう。


The Cranberries の1枚目、『Dreams』と出会ったときのことは今もよく覚えている。
今は亡き池袋の WAVE だった。
地下の狭い店にCDの棚がギュウギュウに詰め込まれていた。
1993年の作品だから僕は上京して一年目。
あちこちのCDショップへと冒険していた頃だ。
清涼感のあるギターポップが流れてきて、一瞬で引き込まれる。「Linger」だった。
「Now Playing」のところには4人のメンバーの写ったシンプルなジャケット。
暗闇の中でソファーに座って、笑っているのではなく、険しい表情を浮かべている。
このギャップが気になった。即買い。
試聴して買ったとも言えるし、ジャケ買いとも言える。


秋か冬だったと思う。このアルバムをとてもよく聞いた。
しかし、このバンドはこの1枚さえあればいいという満ち足りた気持ちになって
年明けすぐに出た2枚目のアルバムは買わなかった。
リアルタイムには聞かなかったと思う。
ヒットした「Zombie」はラジオか店頭で聞いていたかもしれない。
結婚したら妻が持っていて、それで初めてちゃんと聞いた。


結局のところ、この2枚までか。
その後もアルバムを出していてヒットもしたようだけど、かつての輝きは無く。
変化や成熟というものが似つかわしくないバンドだったと思う。
一瞬のイノセンスとでも言うか。
00年代前半に一度解散して、再結成してまた活動していた。


確かに「Linger」は名曲だし、『Dreams』も名盤だけど、
基本的に天の配剤によりたまたま売れてしまったバンドなんじゃないかと思う。
だからその後の展開に苦労してしまった。
いい曲が書ける、いい歌が歌えるという
ただそれだけを武器に大きなステージに上がってしまったとでもいうか。


とりあえず今晩は『Dreams』を聴き直してみよう。
もしかしたら20年ぶりぐらいになるかもしれない。