サザエさんというもの

日曜の夜、日も暮れてサザエさんを見る。
笑点から缶ビールを飲み始めて、世界遺産の頃には缶チューハイへ。
サザエさんでビールに戻るか、チューハイを続けるか。


何とはなしに惰性で見ている。
小さい頃から見ていたから、というただそれだけ。
正直、ひとつひとつの話を面白いとは思っていない。
わかめちゃんやたらちゃんがいちいちうっとうしいなあとツッコミながら見ている。
大人になって、というかおっさんになって、
まっすぐ、まっさらな気持ちで見ることができない。


最近はリビングでつけっぱなしにして
キッチンで晩飯や明日の弁当を作っていることが多い。
音が聞こえてサザエさんの賑やかな雰囲気がそこにあるというのが一番いい。
個々の話は、細かい工夫があれこれありつつも
大筋はカツオの0点とか花沢さんのアタックとかパターンが決まっていていつも同じ。
わざわざ見なくても困らない。


東芝が例の不祥事からスポンサーを下りて、高須クリニックが引き継ぐとか、
番組そのものが打ち切るになるとかあれこれ言われてたけど、その後どうなったんだろう。
春の改編で無くなっても、ま、いいかと受け入れそうだ。
個人的には同じく東芝がスポンサーの
『小さな村の物語 イタリア』さえ終わらなければそれでいい。


そういえば、サザエさんで携帯、スマホの類が出てこないのはなぜか。
時代設定が昭和のままなのだろう。
平屋の一戸建てに縁側があるとかいろんなことがファンタジーだ。
でも一頃、東芝がテレビやラジカセを作っていた頃は
そういった家電だけが妙にリアルに描かれていた。
カタログから引き写したかのように。今はそれもなくなった。


なんか今は、見るときは猫のたまばかり観察している。
東京で飼っていて、外と内を自由に行き来して
日々無事に戻ってきて生きているというこの奇跡。
すごい猫だな、ただものではないな、と感心することしきり。
あの鈴の大きさ、だてではない。


高知というか、四国はアンパンマン列車が走っているとラジオで聞いた。
長谷川町子美術館があるなど、サザエさんは世田谷区に縁が深い。
世田谷線が一度サザエさん列車を走らせたと聞いたことがあるけど、一時期だけ。
地方と東京の差と言えなくもないが、
サザエさんに対するゆるやかな関心の低下のようにも思う。