スーツというもの

昨日は新年度の始まり、入社式というところも多かっただろう。
僕が常駐しているオフィスでも開発パートナーの会社にてさっそく新人が配属されていた。
家に帰ってテレビをつけるとニュースでは珍しい入社式ということで
自転車部品メーカーの恒例行事として社長、役員と新入社員がサイクリングに出かけていた。


シンプルだけど地味なリクルートスーツを着るのも人生でこのときだけだろう。
普通の人はスーツを何着も事前に買えないので、
冬のボーナスぐらいまではリクルートスーツを着ることになる。
その頃には周りに誰も着ている人がいなくなっていることに気付いて、自然と遠ざかるようになる。


もちろん僕も就職活動のときに紺色の当たり障りないものを買った。
裾もダブルではなく、シングル。
いつのまにか着なくなったけど、雨の日なんかには着てったかな。


大学の入学式のときに母がスーツを買ってくれた。
青森市のデパートの中に入っていた D'uaban だった。
今はなき新町の松木屋だったんじゃないかな。
3月のある日、母とバスに乗って買いに行った。
卒業式も終えて、この頃には雪も解けかかっていただろう。
あと2週間もすれば東京での生活が始まる。


紺色だけど鮮やかでシルエットがスラッとしてて、着心地がよかった。
その後いくつものスーツを買ったけど、D'urban も利用したけど、
あの時以上のものに出会っていない。
社会人になって5・6年ぐらいは大事に着ていただろうか。
普通の日ではなく飲み会があるとか、そんな日に出番があった。
合わせて買ったネクタイはボロボロになってもまだ手元に残している。


大学を卒業するときには叔父がスーツを買ってくれた。
急な葬儀があってもいいようにと色は黒っぽいグレーだった。
やはり地味なものを。


その後、皆が着てたからと TAKEO KIKUCHI を着てみたときもあったけど、
なんかのきっかけで以後、ずっと POLO を。池袋西武で。
瀬田に住んでたときは高島屋の中の POLO が小さかったので
そのときだけは D'urban だったかな。


これまで何着着てきたのか、これから先何着出会うことになるのか。
最初あんなに嫌がっていた僕も今はすっかりスーツの方が気楽になった。