初めてのディズニーシー その2

9時半過ぎ。ホームに上がる。
駅、ランド、ホテル、シーと環状線で回っているディズニーリゾートラインが来て乗り込む。
ふかふかのソファーが壁沿いに向かい合っていて端の方が優雅に丸まっている。
ラグジュアリーなラウンジのような。もちろん広告は一切なし。
ここから夢の国が始まっている。つり革ですらミッキーのシルエット。


下りて外に出る。
駅の2階からホテル・ミラコスタへの通路が。どこまでつながっているのか。
手荷物検査を受けて入り口をくぐる。これでついに夢の世界へ入国。
広場に噴水があって巨大な地球儀がくるくる回っている。
その表面を水が流れていて白い雲のように見える。
修学旅行生たちがはしゃぎながら、スマホで互いに写真を撮っている。


グッズの店が両側に並ぶ通りを抜けると
目の前には湖とその向こうにそそり立つ大きな山。
とどろくような音がして火口から本物の火の手と煙が上がった。
ヨーロッパのような街並みに船が停泊している。


「タワーオブテラー」というアトラクションが一番人気で最も並ぶ時間が長いというので
その「ファストパス」をもらいに行く。
数時間後の時間帯を指定され、さほど並ばずにアトラクションに乗れるというもの。
有料かと思ったら無料だった。
しかし、一度発券したら次のアトラクションで発券できるのは1時間半か2時間先。
その間あちこち見て回ったり、さほど待たなくてもよいアトラクションに入ってみたりする。
少し先の予定が立てやすいし、だらだら過ごすこともなくなる。うまくできている。
細長い古びたホテルのような建物にどんどん人が吸い込まれて行って並ぶ。
その近くにあった発券所で、プリントアウトしたパスポートを発券機に差し込んで発行する。
まだ10時過ぎだというのに「タワーオブテラー」の予約可能時間帯は14:45から。だいぶ先。
そして次のファストパスは12時から。
インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの魔宮」を取ることになっている。
それまで時間が空く。


このエリアは「アメリカンウォーターフロント」といって、
アメリカの西部劇のような街並みとなっている。
奥の方には豪華客船が。何本もの煙突から白い煙がたなびく。
その中のアトラクション「タートル・トーク」が待ち時間15分というので入ってみる。
並んでいると柵の間の行列がどんどん長くなっていく。
水槽代わりのスクリーンにアニメーションのカメが出てきて、皆の質問に答えてくれると。
子供向けの内容のようで日本人も外国人も親子連れが多かった。
次の回が来て隣の広間のような部屋に移動。
四方の壁には額に入ったディズニー風の海洋生物の絵。
どうやって水槽の中の亀と話すのか、など設定的な説明を一通り受けたあとで隣りのシアターへ。


ベンチが並んでいて、座る。さっそく亀の「クラッシュ」が登場。
決まり切った一方的なやりとりかと思いきや、どうもクラッシュ役の俳優が当意即妙に話していて
しかもその口の動きがシンクロしている。
いったいどうやってんだろ?
最近 NHK の「チコちゃんに叱られる」が好きでよく見てるけど。あれみたいな感じ。
このクラッシュが客席をいじり、
その一方で「亀はどうやって暮らしてるのか」「どうやったら歌が上手くなるか」
といった客席の質問を受けてその場でアドリブで回答する。芸として成り立っている。
なんだ、子ども向けかと思いきやしっかり大人向けのエンターテインメントだった。
いきなり感心してしまった。


タートル・トーク」を出てアメリカ風のヨットハーバーを歩いていると
クラシックなオープンカーが客を待っていて、客席に乗りませんかという。
今なら貸し切りというので妻と二人後ろの座席へ。
女性のドライバーが運転して、「アメリカンウォーターフロント」をゆっくりゆっくり一周する。
地面には線路。頭上を列車が横切っていく。
ビールを飲みながらだと気持ちいいだろうな。
近くのワゴンでは生ビールを売っていた。


下りて11時過ぎ。和食のレストラン『櫻』のメニューを覗く。
今ならすぐ入れそうということで早めの昼を食べる。
ここもファストパス的に予約していた方が優先となる。
妻はとんかつ御膳、僕はステーキ重。
メニューに載っていた味噌のクリームチャウダーがおいしそうで、
ステーキ重にはそれがついてくると。
舞浜の地ビールも飲む。
とんかつもステーキも悪くはなかったけど、リゾート料金でかなり割高かな。
まあしょうがないか。


そういえばその後どの店を見てもメニューが少なくて。
メインいくつかとサイドディッシュいくつか。
どこも大きいところは数百人収容可能となっていて、
それでいてすぐ提供しないといけないとなるとメニューの数を減らすのがやはり妥当か。
工夫のひとつなのだろう。


食べ終えて 11:40 ぐらい。
インディ・ジョーンズのある反対側のエリア「ロストリバーデルタ」まで
園内をぶらぶら歩いてみるか、となる。
朝は曇りで肌寒かったのが、この頃から晴れ間が見えてきて陽射しが強くなってきた。
しかし水辺を歩くというのは気持ちよかった。
妻がポップコーンのワゴンのひとつで買う。キャラメル味。
ガーリックシュリンプ味であるとか、ブラックペッパー味であるとか、
園内のあちこちにワゴンがあってそれぞれ味が違っていた。
いろいろ試してみたかったんだけど、ひとつのポップコーンの紙箱のサイズが大きくて。
この半分でもいいのになー、と思いながら食べ歩いた。
これだけでお腹いっぱいになってしまう。


店員たち(キャスト)は皆笑顔で、嫌味がない。
歩いていて心地よい。安心感がある。
積極的にわかりやすくもてなすというのではない。
しかし、不満や欠点をかき立てる要素を一切もたらさない。
ディズニーランドの何たるかが見え始めてくる。