2018-08-25 Untitled 詩を書く 波の音が聞こえた 見知らぬ国 眠れない夜 窓から暗闇が射しこむ 歩いていた誰かがそこで立ち止まった 明日からはまた移動なのだという 目隠しをされて音も遮られて列車に乗って昼も夜も 次の流刑地もその次の流刑地も同じ 一人が消えて また別の一人が加わる 腕に焼き印を押され足首に何かを埋め込まれ 薬を飲まされて頭の中のものを全て吐き出す 私は海辺の村で生まれ育った 最後に聞こえるのは波の音だろう