停電

昨晩、19時過ぎに帰って来る頃から雨が降り始めて、
家に着いてしばらくしてから暴風雨。
雷もひっきりなしに鳴って近くに何回か落ちたようだ。
後で渋谷に雹が降ったとか京王線が止まったとか聞いた。
全国ニュースでも練馬区の映像が流れ、横殴りの雨だった。


そんな状態が一時間ほど続いただろうか。
日曜の夜、遠く筑波山の雷を眺めていた翌日、
自分の住むところが同じことになるなんて。


雷が落ちだしてしばらくしてから突然電気が消えて、停電になった。
辺りは真っ暗になってスマホの画面だけが白く光っている。
モーター音が制止したような音が聞こえたのは換気扇か。
どうしたもんか。
掃除機はかけ終わったが、これから晩御飯と明日の弁当をつくる。
このままだと何もできない。
せめて非常用の灯りを、ろうそくでもいいから用意しておけばよかった。
懐中電灯もあるはずなんだけど、どこに閉まっていたか思い出せない。
さて、と思っているうちに復旧した。
1分もかからなかったと思う。


取り急ぎエアコンをつけてみる。
立ち上げっぱなしだった PC の様子を見に行く。
浴室の換気装置の時計がリセットされたので時刻を合わせる。
冷蔵庫を開ける。真夏、停電が長引かなくてよかった。


停電に遭遇するなんて何年ぶりだろう。
思い出せない。子供の時にも1・2回あっただろうか。
それとも思い出せなくなっているのか。
東北の震災ののちに東京のいくつかの地域で計画停電となったが、
僕の住んでいた荻窪、杉並区は対象外だった。


子供のころならば突如開いた異世界のようで興奮したと思う。
大人になってからは食材のことが気になったりするだけ。
大人になるってのはいいことなのかどうなのか。


電気がつくようになってから、何も考えず暴風雨の中浴室へ。シャワーを浴びる。
ふと、また停電になったどうしようと思う。
水は出るのか、ガスは使えるのか。案外わかってない。
キッチンでコンロは使えるのか。
その後停電とならなかったのでよかった。


21時ごろには何もなかったかのように外が静まり返る。雨も止んだ。
大人になった今、その方が異世界への入り口や出口のように感じる。