『One Nite Alone ...』を聞いてみた

先週末『One Nite Alone ...』を受け取って、さっそく iPhone に入れて聞いてみた。
全10曲で35分とあっさりしたサイズ。
1曲目「One Nite Alone ...」と7曲目「Avalanche」は
ライヴバージョンが『One Nite Alone ... Live』にも収録されている。
4曲目「A Case of You」は Joni Mitchell のカバーで、
『A Tribute to Joni Mitchell』で既に聞いたことがある。
今月発売される『Piano & a Microphone 1983』にも入っているのはこの曲のみ。


『Piano & a Microphone 1983』はその名の通り1983年の録音だけど、
(『1999』と『Purple Rain』の間の頃)
『One Nite Alone ...』はガイドブックを参照すると、
発表年の近い『Rainbow Children』(2002)の頃に録音されたのではないか、とのこと。
でもそうなると「A Case of You」の扱いは? となるので、
このアルバムもそれまでの未収録曲の中から選んだものなのかもしれない。


ジャケットにピアノが描かれている。
Prince がピアノ弾きながら歌っているんだけど、いわゆる「ピアノ弾き語り」ではない。
シンセサイザーやパーカッション、弦楽器もところどころ入っている。
ピアノを叩いているような音も聞こえる。
楽器を削ぎ落してシンプルにした結果、ピアノを中心とした曲が集まったというような。
『Crystal Ball - The Truth -』がアコースティックギター弾き語りではないのと同じ。


一聴して目立つ、「名曲」はない。
一番メロディーが美しいのは「A Case Of You」か。
(タイトルは Prince っぽく「A Case of U」)
全体的に淡く、淡々としている。けだるさはさほどない。
『One Nite Alone ...』とあるように
一人寝の夜、静かに心かき乱されるものがあって
白々とした夜明けを迎えてしまった、というような。
黒っぽくはないんですね。


わかりやすい名盤ではないけど、一通り Prince を聞いてきた人には
コレクションに加えておきたい作品。
配信も始まって音源が入手しやすくなったし。
化粧っ気のない等身大の Prince がそこにいるんですよね。