Timbuk 3

先日の Laibach に引き続き、
今週聞いていたのは Timbuk 3 というテキサス州オースティン出身の80年代、90年代のバンド。
名前はに西アフリカの都市「トンブクトゥ」をもじったものだとか。
(検索しようと「timbuk」と打つと「timbuk2」と補完されて、
 アメリカのメッセンジャーバッグなどのブランドのようだ)


元々は若い夫婦のフォークデュオなんだけど、リズムボックスが3人目のメンバー的な扱いだった。
DIY精神、シニカルな歌詞といったところは
パンク・ニューウェーヴを通過したオルタナ・フォークとでもいうべきか。


『Greetings from Timbuk3』(1986)
デビューアルバム。テレビを背負ったロバのジャケットが印象的。
テクノロジーの発展の恩恵を受けつつ、置いてけぼりになったかのような
ちょっとひねった牧歌的雰囲気がこのころの持ち味で、それをうまく映像イメージにしたなあと。
「The Future's So Bright, I Gotta Wear Shades」がいきなり全米ヒットチャート20位に。


『Eden Alley』(1982)
前作がギターとリズムボックスという枠組みの中でコンパクトにまとめた感あり。
今作はその枠組みが早くも窮屈になってあちこちはみ出まくってる。
彼らにしか表せない一風変わったギターポップが屹立していて、
個人的にはこのアルバムが最高傑作だと思う。


『Edge of Allegiance 』(1989)
前作までモラトリアムやなんやかや引きずってるが故の傑作だとしたら
今作は大人になって一歩スケールが上がったかのような。
完成度が上がった分大人しくもなって、普通のフォークギター・ロックへ。
聞きやすくはなったが賛否両論か。


『Big Shot in the Dark 』(1991)
田舎町で普通に暮らしているがすれっからしの大人。こういう歳の取り方もあるんだなと。
国内盤が出た当時、Rockin'on で渋谷陽一氏が珍しくレビューを書いていて
「Two Medicines」「Dis--- Land (Was Made for You & Me)」の歌詞を引用して
これぞロックの歌詞だと絶賛していた。


『Espace Ornano』(1993)
リズムボックスではなくベースとドラムにメンバーを入れてのライヴアルバム。
初期の作品ではリズムボックスのスカスカした乾いた音が魅力になっていましたが、
ここでは肉体派のゴリゴリの演奏に。ギターもハーモニカも激しくなって、
オルタナ・ギターロックのライヴアルバムとして隠れた名盤だと思う。


『A Hundred Lovers』(1995)
今のところラストアルバム。その後夫婦の二人はどうなっただろうというのが気になる。
前作のシニカルなギターポップ路線を推し進めて完成度は上がったが、その分さらに普通に。
国内盤はその前に出た秀作ミニアルバム『Looks Like Dark to Me』からの抜粋をボートラに。
「Born To Be Wild」のカバーを聞くと彼らの人がいいけどシニカルな音楽性がよくつかめる。