屋根に雨の当たる音

生活の中で一番好きな音を問われたら、屋根に雨の当たる音と答える。
もっと言うと布団の中で雨の音を聞きながら眠るのがいい。
大きな音ほどいい。
ザーザー振りで今にもバケツの底が抜けそうになってるとワクワクする。
当然のごとく台風の夜がベスト。


マンションよりも戸建てにこだわったのはひとつにはそれがあると思う。
母の住むマンションも雨の音は聞こえるが
あくまで窓の外から聞こえる雨の音であって、屋根に当たる音とはかなり違う。


荻窪で住んでいたアパートはロフトに寝ていたので雨の音がとても近かった。
すぐ目の前に降りそそぐような。
理想を言うと、雨の夜はあのロフトに戻りたい。


今の家は割と天井が高いので
(もちろん昼間のことを考えるとそちらのほうがいい)
どことなく雨の音が遠い。くぐもっている。
でもまあ聞こえるのだから文句はない。


同好の士がいるのではないかと検索してみたら、圧倒的に逆が多かった。
音がうるさくてなんとかしたいと。
「屋根 雨音 対策」というように予測の候補に必ず「対策」が入ってくる。
軒がないから直接雨が当たって煩いとか、この建材がよくないとか。
雨漏りが気になるというのも多かった。
そりゃそうだよなあ…


でもね、「屋根に雨の当たる音」フェチの人は
案外いるんじゃないかと思うんですよ。